※本稿は2018年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
2011年に長崎外国語大学を卒業後、中国の大学や母校で日本語教師として勤務。スペインへのフラメンコ留学を経て、帰国後は中学校の支援員を務めながら地域の日本語ボランティアも経験した後、当研究科修士課程に入学。現在「第二言語習得における漢字表記習得適性の測定ツールの開発」をテーマに修士論文に取り組んでいる。
学部時代に副専攻で日本語教育を学んでいた頃から、日研は進路の選択肢として頭にありました。卒業後、国内外の大学で日本語教師を務めたり、スペインへフラメンコ留学したりとさまざまな経験を積んだ後、かねてからの希望だった大学院進学を実行に移しました。
1年目で印象的だった科目は「日本語教育学演習Ⅰ」です。
同期学生4~5名がグループになり、毎週違う教授から研究計画書についてご指導いただいたり、グループのメンバーも含めてディスカッションをしたりしました。1学期間で日研のすべての教授と当たるため、多角的かつ示唆に富んだアドバイスを受けることができました。その過程で、自身の研究計画書を練り直しながら、2学期目から所属する研究室をじっくりと選べるのが日研のカリキュラムの特長の一つです。
修士課程で学び始めてから、日本語教育への見方が大きく変わりました。以前は教育の現場で働くことのみを考えていましたが、今はテストを作成する機関や出版社などを含め、より広い範囲で捉えるようになりました。何より、長く研究を続けたいという気持ちが強まっています。日研は日本語教育の研究方法を学ぶ場であり、日本語教育とどう向き合っていくかを常に考える場でもあります。研究を進めるなかで自らの価値観が揺さぶられる場面もあり、その過程を経るからこそ、次のステップに進めるのではないかと感じています。