現職:早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程学生
私は、2001年に日研の修士課程に入り、終了後、博士課程に進学をしました。博士課程は1年で自主退学をしましたが、4年後、復学をし、今に至っています。
ここからは、自分の大学院の生活を振り返りながら、日研で研究することを固執する理由について書いてみたいと思います。
日研に入って、一番私に刺激を与えてくれた問いで、今や自分のもののように使っている文句があります。それは、「一番言いたいことは何ですか」「なぜそう思いますか」です。図書館で論文をいくら探しても、この問いへの答えを見つけることは出来ません。ただ、ひたすら自分に問い続け、手がかりのようなものが見えた時には、それを書きとめ、またゼミで公開し、フィードバックを受けることしかできません。
このように、底知れない海のような自問自答を繰り返す対話の世界に潜り続けているうちに、自分が日研でやっていることは、論文を書く時だけではなく、日々の生活の中でも必要不可欠な力になることが分かりました。
論文を書くには、玉石混淆する情報を自分の視点で整理をし、問題提起をする力が要ります。そして、自分の視点を持つためには、自分との対話はもちろん、自分との対話の内容を真剣に聞いて、フォードバックを与えてくれる人の存在が必要です。日研には「チャンさんが言いたいことは・・」と刺激を与えてくれつつ、一緒に、真剣になって考えてくれる仲間や先生達がいます。私は今、その仲間や先生達に支えられながら、自分との対話の海に潜り続けて、博士論文を書いていこうとしています。しかし、ことことは、日研を卒業することで、対話が終わるわけではありません。仕事をする場でも、日々の会話の中でも自分の視点を持った人間として生きていきたいため、自分との対話は続けていくつもりです。
以上のことから、私にとっての日研は、潜り続けなければならない自分との対話の海の世界とも言えます。それが、私が今、日研にいる理由です。