Graduate School of Japanese Applied Linguistics早稲田大学 大学院日本語教育研究科

その他

坂田麗子(日研修士5期生)

現職:早稲田大学日本語教育研究センター インストラクター(任期付)

エッセイは大体書き終えていたが、締めをどうするかで悩んでいた。周りの人間に聞いてみる。みんなそれぞれの思いで綴っていることを知る。こういうとき、決まって思い出すのが、幼いころ見ていた「サザエさん」の台詞だ。確か、夏休みの作文の課題ができずに頭を悩ますワカメちゃんに対し、サザエさんかフネさんが言った台詞だ(なんてうるおぼえなのだろう)。「かっこいいことを書こうと意気込むと、何も出てこないのよ。何も考えずに書けばいいの。」私にとってこの台詞は、何か書かなければならないとき、いつも私の背中を押してくれた。そんなことを考えながら、結局アイディアは思い浮かばないまま、締め切りの日を迎えることになった。どうにもこうにもいかなくなった私は、ある人に「日研のわたし」について聞いてみることにした。すると、その人からは意外な答えが返ってきた。その人は、「日研とわたし」というテーマは重すぎて、自分のような若輩はまだ書けない。もう少し時間が経ったら書いてみると。その人にとっての「日研」という存在の大きさを深く考えさせられた。その時、私は思った。そう、日研生にとって「日研」とはどの人にとっても大きい存在なのだと。だから、私の場合は、締め切りの日を迎えても、こうして答えが見つからなかったのだ。私は途中まで書いたエッセイを白紙に戻した。その人の言うように、自分になんてまだ「日研とわたし」を語れないんじゃないかと思ったが、私の背中を押してくれる「サザエさん」の台詞から言わせてもらえば、「日研は今の自分になんて語れない」という心中をそのままここに記すことが、私にとっての「日研とわたし」になるのではないだろうか。日研が創設10周年を迎える今、ここにいる等身大の私はこうしてまだまだ発展途上である。人の意見に耳を傾けながら、自分はどうだろうと考え少しずつ前に進んでいく。人と比べれば本当に小さい前進である。でも、私はこうして日研と共に成長していく自分を楽しみしながら、これからも私の人生を歩んでいきたい。また何年後かに「日研とわたし」を書く日を夢見ながら。

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