Graduate School of Japanese Applied Linguistics早稲田大学 大学院日本語教育研究科

その他

蒲谷宏(日研教授)

現職:早稲田大学大学院日本語教育研究科 教授

よく言われることだが、教師をしていると、学習者に教えることよりも学習者から学ぶことのほうが多い。これは、日研での教育においても同じことで、院生たちに教えることよりも、院生たちから学ぶことのほうが多いのである。もちろん、教えることと学ぶことは表裏一体であるし、教えることと学ぶことのどちらが多いというような比較に意味はない。しかし、これは単なる述懐というのではなく、日研での10年間を振り返ってみたとき、実際の経験を通じて強く感じることなのである。

日研の10周年にあたって、日研の立ち上げに関する苦労話や、修士の演習での思い出、博士の研究指導上の出来事など、語りたいことは多々あるが、ここでは、わたしが日研での10年間を通じて学んだことを伝えたい。それは、自分が研究教育者としてどうあるべきか、ということだけではなく、一人の人間としてどう生きていけばよいのかを追究することの大切さであった。これは、日研でいろいろな人たちと出会い、様々な局面に遭遇し、考え続けてきたからこそ至った境地であると思っている。

入学式や修了式における祝辞として、大きな目標を持つこと、自ら道を切り拓くこと、結果より過程を大切にすること、視野を広く持つこと、誠実に生きること、教育について真剣に考えること、日本語教育学の専門家としての自覚と誇りを持つこと、人間力を高めること、などと述べてきた。どれもが言い古された表現であると知りながらも、わたしにとっては日研での経験を通じて得られた、極めて具体的な実感を伴った言葉であり、常にわたし自身に言い聞かせて来たことでもあった。

日研はわたしにとっても学びの場であったし、これからも学びの場であり続けるだろう、というのが、日研とわたしということについての本当に正直な思いである。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/fire/gsjal/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる