Graduate School of Japanese Applied Linguistics早稲田大学 大学院日本語教育研究科

その他

加藤好崇(日研博士3期生)

現職:東海大学国際教育センター 教授

2004年博士課程入学の前年、私は上海にいました。当時、中国ではSARSが流行し、私もその一連の騒動のまっただ中にいました。上海へは私の勤務する大学と現地の大学との協定に基づき派遣されていたのです。せっかくのチャンスなので現地で研究活動にも精を出そうと思っていたのですが、SARS騒ぎで何となく落ち着かず、思ったように研究を進めることができぬまま帰国しました。

そんな気分で日本に戻ってきた直後、宮崎里司先生から博士課程に挑戦してみないかと誘われました。まさにグッドタイミング(バッドタイミング?)といわけで、未消化だった研究を取り戻そうと(今から思えばよく考えもせずに)学位を取る決意をしたのです。

しかし、それからが大変でした。二足の草鞋を履くことになり、勤務校にも気を遣いつつ何とか最短で修了を目指す苦労の日々です。毎日勤務校で仕事をし、授業のない日には日研に向かう、こんな2年半でした。何となくこっそり「虎の穴」でトレーニングを受けている、といった感じなのです。(もちろん日研では「悪役」を養成していません。)しかし、宮崎先生のご指導や宮研の方々との会話は非常に刺激に満ちたものでした。最後の半年は研究休暇でオーストラリアのモナシュ大に客員研究員として滞在し、ひたすら論文を書き続ける毎日でしたが、その間も宮崎先生のskypeによるトレーニングは続けられました。

約3年後の博士論文が完成した日と、学位記授与式の日の感動は今でも忘れません。

私にとって日研の印象はまさに苦しい「虎の穴」のような修練の場であって、決して明るい学習の場ではありませんでした。

しかし、それがどれほど今の自分を作り上げてくれたかは言を俟ちません。

今後も日研が厳しい修練の場であり、そして社会に貢献できる優秀な人材を送り出す機関であり続けることを祈っています。

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