Graduate School of Japanese Applied Linguistics早稲田大学 大学院日本語教育研究科

その他

大森優(日研修士15期生)

現職:ボーフム・ルール大学外国語教育研究所日本語学科(Japonicum) 客員講師

私にとっての日研とは何か。2年の間に22号館で過ごしたあの密な時間や仲間との語り合い、日本語教育を通じた出会いの数々を振り返ってみると、そこで得たものは余りにも多く書ききれない。それでも一つ、今の自分が最も実感していることを書くとするならば、日研は「わたし」と「日本語教育」をつなげてくれたところである。

日研で過ごした2年間は、苦しかったけれども、他者と語り合う中で真剣に自分と向き合うことができた贅沢な時間であったとも思う。日研で常に問われたことは、「日本語教育とは何か」ということ、そこで「わたし」は何を考え、何がしたいのかということであった。その過程で、私は初めて真剣に「ことば」や「わたし」と向き合ったように思う。そして、日本語教師として、私の考え方や「わたし」自身が日本語教育にいかに映し出されるかということを学んだ。根底には「わたし」があり、私は「わたし」としてしか日本語教師になれない。この経験は、日本語教師として歩き出した今、大きな支えになっている。

ドイツで日本語を教え始めて1年が経ち、試行錯誤しながらも周りの方々に支えられ、楽しく授業をしている。しかし、日々の授業に追われる中で、時に自分が見えなくなってしまうこともある。またマイノリティとして、ドイツ語学習者として生活する中で考えさせられることも多い。そんな時「わたし」を振り返り考えてみること、また生活の中で自身が感じたことや経験したことを、日本語教師としてまた授業につなげていくことが重要であり、全てが「わたし」を軸に往還しているのだということを実感している。

こうして振り返ってみると、「わたし」と向き合うということは、日本語教師としてだけではなく一人の人としての学び、成長につながったと思う。とはいえ、まだ始まったばかりである。これからも、「わたし」や「日本語教育とは何か」を考え続けていきたいと思う。日研と共に。

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