Graduate School of Japanese Applied Linguistics早稲田大学 大学院日本語教育研究科

その他

森口祐子(日研修士2期生)『天職そして夢の実現』

現職:上智大学国際教養学部 非常勤講師

早稲田大学日本語教育センター インストラクター(非常勤)

人生とは摩訶不思議だ。ある出会いがきっかけで自分を変えると、信じられないようなスケールで人生が変わる。私は30年ほど前、大学で数学を学んだ後、国際機関で難民の子ども達の教育に携わる夢を抱いて教育学の大学院へ入学した。だが入学早々、卒業後希望通りの就職先を得ることが困難な現実を知った。教育学の先達の「40歳になってから教育に携わりなさい」という助言に従い、大学院を中退し、外資系コンピュータ会社に就職した。

在勤9年目に退職し、子育てをしながら在宅で翻訳やシステム作りの仕事を始めた。ところが、困ったことに訳出した日本語に自信が持てなかった。悩んだ末、日本語力も伸長し、日本語教師の資格も取れる日本語教師養成講座に通うことにした。

当時その養成講座で「教材・教具論」の教鞭を執られていたのが、日研の吉岡教授だった。「今度早稲田に日本語教育の大学院ができるので、そこで勉強しませんか」という日研への熱心な勧誘が、私の20代の夢「40歳で教育に携わる」を彷彿としてよみがえらせた。また、同時期に夫が急逝し、落ち込んでいたので、日研への入学は生きる希望を与えてくれた。宮崎研究室での二年間は大きな人生の転機となり、在宅勤務で滅多に人に会うことのなかった生活が一変し、日々ゼミ仲間や留学生等と交流するようになった。日本語教育は天職だと思い、念願の教育に関われる喜びに浸った。

日研終了後、もう一つの夢を叶えるため、娘を連れて英国の大学院へ留学した。バイリンガルの子ども達の研究をしながら、大学で4年間日本語を教える機会に恵まれた。これもすべて、日研との出会いがあったお陰である。昨年9月から日本語教育センターで留学生への日本語教育を担当させて頂いているが、今後は研究対象として興味のある帰国子女への日本語教育にも携わる予定だ。日研で学んだ知識や経験を生かし、日本語教育のみならず人間教育にも寄与できる奥の深い教師を目指して、今後も研鑽を積んでいきたい。

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