
企画に添えて
扉を開ける。毎日そうするように靴を履いた足で、玄関から足を踏み出す。後ろに残っている足を何の気無しに踏み込む、重心が移動し、踵は地面を離れていき、倒れるのをとめるようにこの身体の前に足を出す。繰り返す。身体は巻き込まれる。風景に、時間に、地形に、営みに、目的地に、疲労に。変身してしまった。この変身は、いつからはじまった? 目を開けたときにはもうたぶん始まっていた。あるいは夢の中ですでに。その足でどこかへ歩いていく。たとえば早稲田どらま館まで。この身体の距離を、この身体の時間を、この身体の空間を、切り取ってスキップさせない。変身は緩やかにやってきている。歩いてみる。開けっ放してみる。開け放った身体には思わぬ訪問があるかもしれない。歩きに任せてみる。世界が広大な戯曲だとしたら、歩いて、眺めて、連続して、通過して、立ち止まって、また歩く。この身体は大地の読者になり、歩くことで上演する。歩いた断面、表面、仮面は降り積もる。内と外はごちゃまぜになり、この身体はそれでもわたしを運んでくれる。わたしは便乗してみる。集まって話してみる?(石川朝日)
内容
①石川朝日を含めた参加者はどらま館まで歩いて来る。
②参加者が歩いてきた道に関するワークショップを行う。
③参加者は終了後、どらま館から歩いて帰る。
【12:00集合・休憩/12:30WS開始/16:00終了目安】
※道について
基本的には自宅を出発点とするのが望ましいが、家が遠い場合、もしくは家が無い場合、その他の事情がある場合は、任意の出発地を定め、そこから歩いてきて、歩いて帰っても良い。
なるべく同じルートが望ましいが、気にしなくても良い。 歩行での移動が難しい場合は、講師とご相談ください。
(石川朝日は、家から早稲田まで3時間強なので、往復6時間くらい歩くことになると思います。)
※注意事項
まだ天気が読めませんが、おそらく相当暑くなるか、すごい台風が来る可能性もあります。
夏のアスファルトは大変危険です。水分補給、塩分チャージ、日除け、影を歩く、などの準備をしすぎて、不足することはないと思います。
少しでも危ないと判断したら、セルフストップをかけてください。お会いできるのを楽しみにしています。
日程
2025年7月 |
17日(木) |
12:00〜16:00 |
18日(金) |
12:00〜16:00 |
※全2回・内容が毎回変わります。
会場
早稲田小劇場どらま館
講師
石川朝日
対象
毎回参加できる方が望ましいです。一回だけでも大丈夫です。
俳優でも俳優じゃなくても。遊びに来てください。
定員
毎回だいたい10名 見学も可能
応募フォーム
予約する
参加費
フリーカンパ制
講師略歴

石川朝日
1995年生まれ。野田秀樹の作品に出たくて多摩美に入学、3年で中退、そして渡仏。ジャックルコック国際演劇学校入学。入学したは良いが、フランス語も英語もほぼわからず、毎日の授業、パリでの極貧生活、3畳もない元・女中部屋。勘と努力で、2年間を生き抜いた。かなり苦しかった。なにもわからなかった。楽しかった。帰国。東海道を歩く旅、4年目に入り、整備された東海道に飽きたので、道を外れ賢島から伊勢神宮へ。裏から伊勢神宮を目指す途中、鹿の親子に出会った。僕が何時間もかけて歩く道を、2秒で飛ぶように、僕の視界から消える。『神秘的』と思った。歩くとはなんなのか、歩いて検証中。