公演詳細
期間
2022/9/17(土)~2022/9/18(日)
劇場
早稲田大学学生会館B203
主宰・脚本・演出
永久もが奈
出演
アヤナ、夏休半荘戦、一鷹、大山晴生、大和田やま都、久我健人、児玉トウカ、小百合、宗磨、夛賀リンゴ、永久もが奈、ハナスエトミ、伴野一夫、ヒイラギ凪、南朱夏、有喜江、りゅうき、玲、SARA
【声の出演】 大塚光一郎、ひわ、美和子
料金
無料(フリーカンパ制)
予約
(有観客公演)https://t.co/wFc6OnvNmY
(アーカイブ配信)https://t.co/ENhh6Z1Q2O
タイムテーブル
2022年9月 | ||||
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17日(土) | 13:00 | 17:30 | ||
18日(日) | 11:00 | 15:00 |
スタッフ
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舞台監督:しみずあかり
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舞台監督補佐:あいざわ、菓子、ねね、藤河亜衣、村上まゆ、ゆきみ、吉田総士
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音響:しゃどぅーまうんてぃん
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音楽:しゃどぅーまうんてぃん
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照明:平田清夏(G線上のサクラエビ)
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照明補佐:栗山志保(クラゲの逆襲)
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舞台美術:松沢佳奈
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舞台美術補佐:井沢比奈乃、おたけ、コウシロウオヤマ、シロキもとや、田中 檀、城代亘生、雅新、ゆきみ
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制作:今井茉莉江
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制作補佐:浅茅生などか、北川はる、シロキもとや、高橋、ぬかのぶ、よしかい
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運営:ぬかのぶ
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宣伝美術:松沢佳奈
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衣装:SARA
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舞台写真:あいざわ
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映像:西村
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映像補佐:倉田そら、間宮知実
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小道具:有喜江
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演出助手:大山晴生、大和田やま都
稽古場インタビュー
今回は、劇団森新人公演『覆水、月に染まりて』の稽古場にお邪魔した。
公演まで約2週間となった稽古場では新人による新人のための稽古が行われていた。
劇団森の新人公演は他団体とは仕組みが異なるため、まず劇団森のシステムについて説明させていただきたい。ほとんどの団体には新人担当が存在し、メニューを考えいわゆる訓練を行う。そして、新人公演の脚本はサークルに所属して2年目以上の、いわゆる旧人と呼ばれる代が書き、演出も旧人が担当する。
しかし、劇団森の稽古場に旧人はほとんどいない。実際、私が見学した日も新人だけの稽古場だった。発声練習などの基礎稽古から自分たちで考えて行う必要がある。脚本も新人の中から書く人を決める。そしてもちろん演出も自分たちでつける必要があるのだ。
新人同士の対話が重要視されている稽古場だった。例えば、「えーー」と驚くセリフに対し、十分に声が出ない役者がいた。どうやったら声が観客に届くのかというのを新人全員で考える。声を出す際のテンションなど細かいところまで考える。もちろん演出助手の新人が主導してアドバイスなどをするが、そうではない新人もアドバイスを積極的に出しあう。ここで私が感じたのは、「自分事にする力」と「演劇を楽しむ雰囲気」だ。
今の早稲田演劇界で同期だけの稽古場というのは非常に珍しい。もちろん年代が混じっていたとしても意見が言いやすい座組みはあるだろう。しかし、新人でありながらここまで演出について考えられる空間は珍しく、演劇を初めてつくる新人にとって貴重なものだと感じた。
今年の劇団森の新人担当である寺田伊織さんと今井茉莉江さんにお話を聞くと、新人公演の稽古で演出について全員が考えることにより、脚本を書いたり演出家をやりたいと思う人が増えているのではないかと話す。確かに、劇団森は外からみていてどうやって回しているのかわからないほど企画公演が多い。その背景には、新人時代から演出を「自分事にする力」が大きく影響しているのだろう。
そして、この稽古場の「演劇を楽しむ雰囲気」。これは、前回私が『ゆうきが たりない!!』の稽古場でも感じたものだった。稽古は脚本の永久もが奈さんが演出の最終決定を下していた。どのような稽古場を目指しているのかと聞くと「楽しいと感じられる稽古場」という答えが返ってきた。新人担当から言われていることは「楽しめれば自由にやっていいよ」ということだけだそう。演劇経験者は新人24名中8名。旧人がいない中、演劇経験者が先陣を切って稽古を進めているわけでもない。全員が稽古中意見を出し合っていた。稽古場としてとても素敵な空間を私は目撃した。
24人のそれぞれ異なるキャラクターが出演する今回の舞台。24人もいたら自分と似ている価値観を持つ登場人物がいるかもしれない、いやいないかもしれない。新人だけで考え抜いた演出をぜひ1人でも多くの方に観ていただきたい。
(どらま館制作部 にいづま久実)