はじめに
先日、7月8日に有楽町YAUにて行われた竹中香子さんのプレ勉強会『他者の言葉を語る身体のスキャンダル』に参加しました。(※詳細こちら)
求められる演技の質からハラスメントを考えるというテーマが興味深く、その勉強会の続きを実施したいと思いました。
今回どらま館で企画した理由は、以下の通りです。
・『他者の言葉を語る身体のスキャンダル』では、プレ勉強会という設定で竹中香子さんがハラスメント対策として考案する演技の捉え方および構築プロセスの提案と、演技の「形態」が助長してしまうハラスメントの可能性について話し合いの場が持たれた。
・目指される「演技」の側からハラスメントを考える視点は、非常に興味深かったが、会の中で引用された「演技論」だけを取り出してハラスメントを語ることは困難なため、慎重に話を進めていく必要があると感じた。
・また、話し合いの場では、あえて持ち出したはずの「役になりきる」のような紋切型の言葉によって、参加者それぞれの見解や経験が平行して別々に語られることになり、パフォーマンス自体を言葉で議論することの難しさにも直面した。
・また、俳優の視点からのみを検討材料として、演技におけるハラスメントの問題を可視化することのないように留意したいとも考えた。
・改めて、その場で得た知識や観点を参加者全員が扱えるような形で共有し、視点の複数性を確保しながら議論を前進させることが出来ないか。
このようなことを考え、今回の場を設定しました。
プレ勉強会での検討を参加者で扱えるものに整理することを目的として、話し合いの整理に、スタニスラフスキー研究者の浜田誠太郎さんに協力を仰ぎました。
今回、どこまで次につながる機会に出来るかはわかりませんが、この場にご協力いただける方を募集します。どなたでも参加可能です。
どうぞよろしくお願いします。
企画 宮崎晋太朗
日時
9月6日(水)、9月13日(水)18:30-21:30
※原則、通し受講、見学は1日から受付可。
1日目:18:30-21:30
①話し合いのための共有物をつくる
・竹中香子のターン
・浜田誠太郎のターン
②参加者に展開して座談会
2日目:18:30-21:30
③エクササイズ(同トピックを考えるためのからだを使ったワークショップ:進行 竹中香子)
④参加者全体でフィードバック
会場
大隈ガーデンホール 25号館1階
※大隈ガーデンハウス(25号館2階)と同じ建物です。
対象
学生、一般
参加費
無料
定員
10名(先着順)
予約
*原則、参加は両日通し受講です。見学は1日から受付いたします。
*ご不明な点は、[email protected] (担当:宮崎)まで
講師プロフィール
竹中香子(たけなかきょうこ)
2011年に渡仏し、日本人としてはじめてフランスの国立高等演劇学校の俳優セクションに合格し、2016年、フランス俳優国家資格を取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場を中心に多数の舞台に出演。2017年より、日本での活動も再開。様々な大学や教育施設で、フランスの演劇教育や俳優のハラスメント問題に関する講義を実施。また、創作におけるコミュニケーションや関係性に特化した俳優クラス「演技指導を一切しない演劇ワークショップ」を展開。2021年、フランス演劇教育者国家資格を取得。主な最近の出演作に、市原佐都子作・演出『蝶々夫人』『Madame Chrysanthemum』、太田信吾作・演出『最後の芸者たち』。太田信吾との共同企画、映画『現代版 城崎にて』では脚本・主演を務める。2022年度KIACレジデンスアーティスト。2023年より、太田信吾監督作品を扱う映像制作会社ハイドロブラストのプロデュースを担当。近年は、演劇の創作現場における日仏通訳を多数受け持つ。現在、太田信吾監督最新作『沼影市民プール』(さいたま国際芸術祭2023 公募プログラム)を製作中、初の長編映画プロデュースに挑む。https://mill-co-run.com https://hydroblast.asia/
浜田誠太郎(はまだせいたろう)
1996年生。俳優、演劇研究。早稲田大学大学院文学研究科表象・メディア論コース博士課程。研究の関心は20世紀ロシアの演劇論の思想史的背景とその実践の記述。どらま館制作部にて読書会やWS「好きなのをつくる」などを企画・運営。粉もんに目がないことを最近自覚したので、生活習慣病に気をつけたい。
企画制作
協力・後援:ハイドロブラスト
共催:早稲田小劇場どらま館