公演詳細
期間
2022/9/8(木)~2022/9/10(土)
劇場
早稲田大学学生会館B202
脚本・演出
関口真生
出演
新井なお、加藤ナナホ、九鬼流露夢、佐伯綾音、Say!ZeRo、谷澄怜、鶴見彩歌、希埜、乃亜、穂香、ゆう、ゆっきー、有菜
料金
無料(フリーカンパ制)
予約
https://ticket.corich.jp/apply/167240/
タイムテーブル
2022年9月 | |||
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8日(木) | 18:00 | ||
9日(金) | 14:00 | 18:00 | |
10日(土) | 12:00 |
スタッフ
- 舞台監督:氷見大陸人
- 舞台監督補佐:ふらみんごのぺっくる、ポムポムさとし、山田洸、佑果
- 舞台美術:劉許強
- 舞台美術補佐:片句リコ、ハイビスカス元親
- 照明:舞台美術研究会
- 音響:のぐのぐ
- 音響補佐:弌葉英晃
- 制作:会田周平
- 制作補佐:小暮真希、敦郎(劇団森)、卯月りん、加藤鈴、堀井夢香、安い丈博
- 宣伝美術:長澤太一
- 宣伝美術補佐:藤井心帆
- 映像:弌葉英晃
- 撮影:倉田そら(劇団森)
- 撮影補佐:いづみ杏、星りこ
- 衣装:黑川優
- 新制度統括:若武佑華
- 演出助手:Emi、海陸、琴弦ひびき、せこも、会田周平、加藤鈴、カワイコチャン強右衛門、硝子、山田洸、若武佑華
稽古場インタビュー
1984年旗揚げの劇団くるめるシアター(以下、くるめる)は、今夏18人もの新人を迎え、第86回となる本公演「ふるさと」を、9月8日から10日にかけて上演する。
今回は稽古を見学後さらにお時間をいただき、主宰・脚本・演出を務める関口真生さんにお話をうかがった。

(インタビュー中の関口さん)
まず稽古場見学の時間で強く感じたのは、コミュニケーションのフランクな雰囲気。稽古冒頭ではラジオ体操や発声を行なっていたが、先輩後輩という会話の様子では全くない。台本稽古でも、新人の方が自分が台詞に感じた違和感を隠さず言葉にして関口さんに伝え、そこから稽古場のみんなでその違和感についてアイデアを出し合い、演出を固めていくスタイルだ。
またくるめるでは例年この時期に新人を迎えた公演を行うが、新人が必ずしも出演するわけではない、という所に団体の特徴がある。それぞれの予定を考慮し、活動が可能なセクションで関わる体制になっている。一年生にとっては大学初の夏休み、決まっている予定によらず、各々のペースで演劇にトライできる仕組みだ。

(アップでラジオ体操!)
加えて今回の新人公演では、制度の面でのこれまでにない挑戦もある。一つは、演劇をする学生に重くのしかかる「ノルマ」、その仕組みが当たり前となっていることに異を唱えるべく、様々なリターンと交換で支援金を募り新人のノルマ負担を軽くすることに充当する「支援金制度」。もう一つは、SNSを通じて上演を控えている演劇団体にくるめる新人の招待や優待を募り、新人の演劇体験を豊かにする「観劇制度」。今年から始めるにあたって団体内でも賛否様々な意見が交わされたそうだが、どちらも大学生の演劇生活に一石を投じる素晴らしい取り組みだ。
脚本は、ロシアの劇作家チェーホフの名作「三人姉妹」に着想を得た関口さんのオリジナル。母の病を機に東京を離れた三人の娘たちが、亡くなった母の四十九日を終えて自分たちの今後を考えるところから始まる、ふるさとをめぐるドラマだ。母がいなくなって空いた心の穴に、三姉妹それぞれの悩みが吹き抜ける。関口さんは、完本までに執筆の手助けになったのは、自分のアイデアだけでなく、新人の存在が大きいと話してくれた。8月以前の稽古で新人が見せてくれた個性や感情が、シーンや会話を構築する際に手掛かりになったという。

(シーン稽古での話し合いでは、台詞も演出も、新人の意見がカギとなる)
稽古場、新人の関わり方、今年からの新制度、脚本、いずれをとってもくるめるの強みはやはり、一緒に演劇をしていく新人へのやさしさにあるのだろうと、インタビューを通して感じた。
上演について関口さんは、昨今の学生会館ではあまり見ない、役同士の会話で構築していく芝居になりそうだ、と話してくれた。今年のくるめるらしい魅力がきっと現れるこの公演を、是非多くの方に見届けてほしい。
(どらま館制作部 中西空立)