高校3年生対象の自由選択科目「古代文明と考古学」では、世界各地で考古学調査・研究の最前線にたたれている研究者の方を講師としてお招きし、その最新の成果や、研究者としてのキャリア形成などについてお話いただいています。
今年度は、1学期（5月17日）に小高敬寛先生（東京大学総合研究博物館・特任研究員）、2学期（9月20日）に竹野内恵太先生（日本学術振興会・特別研究員PD）をお招きいたしました。
小高先生は、西アジアにおける文明社会の形成について、主に土器資料の分析から研究されており、近年は日本人研究者がまだほとんど調査に入っていないイラク共和国のクルディスタン地域で発掘調査を実施されています。講義では、調査・研究の成果のみならず、本校（高等学院）のＯＢでもあることから、学院生時代から現在に至る研究者としての歩みについてもフランクにお話しいただきました。
一方、早稲田大学の考古学研究を代表する古代エジプト調査に携わっているのが竹野内先生です。講義では、3000年におよぶ古代エジプト文明の一体性について解説していただき、あわせて動画資料などを用いて調査の実際をご紹介いただきました。
お二人の先生のお話に共通していたのは、古代文明についての研究が、様々な点で現代社会についての考察へとつながるということであり、また現地で異文化的・多文化的環境に身を置きながら海外調査を行うことの意義や難しさでした。
将来、グローバル化社会におけるリーダー的存在として活躍するであろう受講生にとって、先生方の実体験を踏まえた貴重なお話を伺う機会となったと思います。
