先輩や先生方が、新しく早大生になったみなさんのために、それぞれの愛読書からとびきりの”一言”を選びました。胸を打つ一言、勇気付けられる一言など、選り抜きの一行の数々に、きっと世界が広がるはずです。
展示場所
- 中央図書館 2, 3階
- 所沢図書館
*中央図書館、所沢図書館共に、館内に配布資料(展示マップ・アンケート・投票用紙)を用意しています。ご自由にお取りください。 [図は中央図書館例]
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Sneak Preview!
数多く寄せられた「一行」の中から、2点だけこっそり紹介します。
「反省することを止めることは、人間であることを止めることであるかもしれない」
[Gist] It might to quit being a human, if you stop reflecting upon your mistakes.
『学問へのひとつの道』 藤原保信
選者:田中愛治(総長)
政治経済学部教授であった藤原保信先生(1935-1994)は、田中先生が私淑した先生でした。学部生の頃に、藤原ゼミの面接を受けた際の逸話もお伺いしました。
「田中君、政治学について勘は良いと思うけど、いかんせん勉強していないね。もし入ったら、絶対にゼミを休まないと約束できる?」と聞かれ、田中先生は「空手部の稽古は、大学選手権などの全国大会がある前は集中で練習しますので、おそらくゼミを休むことになると思います」と答えたそうです。
その結果、ゼミの選考には落ちたそうですが、後で研究室を訪ねた際に「君は正直だなぁ。ああいう時は、嘘でも良いから『絶対に休みません』って言わなきゃダメだよ」と笑われ、普段、真面目で正直な印象のある藤原先生のお言葉に、随分と驚かれたとのことです。
その後、ゼミなしっ子となったものの、アメリカに留学する際に、藤原先生と内田満先生のお二人から推薦状を書いていただいたこともあり、今の田中先生につながっているとのことでした。
田中先生が、藤原先生のこの言葉を選ばれた理由は、実際の展示(中央図書館)で確認してください。
*田中先生が、大学2年の夏休み、ゼミ選考の9ヶ月ほど前に、夏合宿後の旅行で撮られたものです。
長崎県平戸にて。
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“Better is Wisdom than Weapons of War”
(知恵は戦いの武器にまさる。)
旧約聖書「伝道の書」9:18
選者:Gaye Rowley(図書館長・法学学術院 教授)
ローリー先生がこの一行と出会ったのは、旧約聖書を通じて、ではなく、先生が博士課程を過ごされたNewnham College, University of Cambridgeでのことでした。大学の歴史として、寮に保管されたバナーに書かれた文言にこの一行があったとのことです。
Newnham Collegeが設立された1871年当時は、女性に参政権はなく、1908年から1913年の間に行われた参政権運動では、この一行をバナーに縫い、掲げたという歴史を持ちます。
第一次世界大戦後に婦人参政権を得るものの、実情は、大卒、30歳以上、不動産所持者...などの条件付きであり、男女を問わない(21歳以上の)普通選挙権になるには、1928年まで待たなければなりませんでした。
[Non-Militant Suffragists in Hyde Park, August 1913]
https://www.nationalarchives.gov.uk/education/resources/suffragettes-on-file/non-violent-suffragists/
[写真:Newnham College寮に保管されたバナー]
https://150.newn.cam.ac.uk/wp-content/uploads/2018/08/Alumnae-Banner.jpg