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《企画展》或る天才詩人の短くも美しき一生 ―河田誠一、または結核と戦争の時代における青春展―(3/23-4/28)

 

展示概要

ポスター中の資料は『河田誠一詩集』。装幀を詩人・草野心平が担当し、昭森社より100部が刊行された。

河田誠一という詩人を知っている人は、多くないと思います。1911年に香川県三豊郡の仁尾町に生まれ、後に早稲田大学の第二高等学院(予科)で学びました。この展示をご覧になる皆様が本学にご所属されているなら、先輩にあたる人です。田村泰次郎や井上友一郎、坂口安吾など、今はあまり読まれなくなったかもしれませんが、戦後に活躍した作家たちと、戦前、青春時代を共に過ごしました。『愛誦』という雑誌に多くの詩を発表し、時に天才とまで認められながらも、結核に倒れ、1934年、22歳で夭折してしまいます。

河田の遺稿は、一番の親友だった田村が引き受け、井上や、詩人の草野心平が編集し『河田誠一詩集』として出版されます。1940年のことで、これが、河田の唯一の刊行詩集です。編纂の過程において、すでに応召していた田村は、まだ在京だった井上と手紙でやりとりしました。その後、田村や井上たちは時代の奔流に飲み込まれてゆきます。この詩集は、河田の詩作の成果であり、同時に、結核や戦争に断ち切られてしまった、ある若者たちの青春の、一つの記念碑、と言うことができるかもしれません。

今回の展示では、河田や仲間たちの遺稿類や、同じ頃に文学を志していた若者たちの資料を出陳します。河田たちの生きた時代と現代とを安易に重ねることは、できません。しかし、今回の展示資料を前にすると、まだ名の売れぬ若者たちが、先行きが極めて不透明な中で、情熱をもって、自分たちの活動に打ち込んでいたことが、よく分かります。やりたいことをやる時、時流は、あまり関係がないのかもしれません。期せずして、卒・入学式の時期となりましたが、皆様が、本展から、自身の道を行く勇気を少しでも得てもらえれば、幸いに存じます。

日時・場所

会期:2023年3月23日(木)~4月28日(金)(原則日曜閉室)
時間:10:00~18:00
場所:早稲田大学総合学術情報センター2階展示室

  • 入場無料。図書館入館資格のない方でもご覧いただけます。
  • 次の日曜日は開室します:3/26(日)、4/2(日)
  • 次の3日間は17時閉室です:3/25(土)、3/26(日)、4/2(日)

来館時の注意

新型コロナウイルス感染防止対策のため、来館時には必ず事前に「図書館展示室での企画展観覧にあたって」をご確認ください。

展示品リスト

自筆原稿、関係書簡、日記、雑誌『東京派』、雑誌『櫻』、『河田誠一詩集』 など。
田村泰次郎、井上友一郎、坂口安吾、中河与一、中島直人らの生原稿や書簡等も展示します。
会期中、簡単な河田誠一の略年表や作品一覧を掲載した小冊子も配付します。

関連文献

河田誠一の詩と生涯、およびその詩集成立と遺稿類について」(『早稲田大学図書館紀要』第69号)

バーチャルミュージアム

或る天才詩人の短くも美しき一生 ―河田誠一、または結核と戦争の時代における青春展―」(早稲田大学文化資源データベース)

新型コロナウイルス感染症の影響により上記内容は変更となる場合があります。適宜最新情報をご確認ください
Dates
  • 0323

    THU
    2023

    0428

    FRI
    2023

Tags
Posted

Fri, 03 Mar 2023

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