Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

開幕直前! 早稲田から東京2020大会を盛り上げるVIVASEDAとは?

いよいよ開幕が迫る東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)。早稲田大学から東京2020大会を盛り上げようと、早大生が主体となって取り組んでいるオリパラ推進プロジェクトが“VIVASEDA”です。VIVASEDAには、総勢200人ほどが所属し、イベント部門・広報部門・ボランティアコーディネート部門の3つに分かれて、東京2020大会に関するさまざまな活動を行っています。今回は、各部門のリーダーにインタビューを実施。それぞれの部門で取り組んできたことや、部門を超えて企画・運営される各種イベントの内容、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた1年をどう乗り越えたかなどについて、話を聞きました。

大隈記念講堂にて(左から)大原さん、山本さん、駒木さん

【広報部門】政治経済学部 3年 山本 皓大(やまもと・ひろと)
【イベント部門】社会科学部 3年 駒木 梓(こまき・あずさ)
【ボランティアコーディネート部門】人間科学部 3年 大原 ひなた(おおはら・ひなた)

――皆さんがVIVASEDAに参加したきっかけは何でしょう?

山本

大会ボランティア募集の時期がちょうど大学受験のときで、当時は東京2020大会のことを考える余裕はありませんでした。ただ、入学してあらためて「自分が在学中に東京2020大会を迎えるのか」と気付き、何らかの形で携わることができたら得られるものが大きいと考え、ちょうどメンバーを募集していたVIVASEDAに参加したんです。

駒木

私も東京2020大会に何かしらの形で関わってみたいという気持ちがありました。日本で、しかも東京で開催されるなんて、この先なかなかないことなので。

大原

私の場合は、これまでスポーツを通じて、海外情勢を学んだり趣味が増えたりと、さまざまなことを知るきっかけになっていました。そんなスポーツが最も多くの人の目に触れる機会はオリンピック・パラリンピックだと思い、早大生として東京2020大会を盛り上げることができればと、VIVASEDAに入りました。

早稲田大学 オリンピック・パラリンピック推進室がある、早稲田キャンパス27号館にて

――それぞれの部門ではどのような活動を行っていますか?

山本

僕が率いる広報部門は、開催に向けてSNSなどを通じ、さまざまな情報を発信する活動を中心に取り組んでいます。ボランティアコーディネート部門、イベント部門でも幅広い活動を行っています。

大原

そうですね。ボランティアコーディネート部門では、所沢キャンパスで事前キャンプを行う、イタリアオリンピックチームに贈呈するモザイクアートを作成したりと、間接的な支援を主に行ってきましたが、実際には、部門の枠を超えたイベントを企画・運営することも多いです。実施したイベントの中でも、2020年12月の「キャンドルナイトプロジェクト」は大きな反響を呼びました。近年のオリンピックでは、基本テーマの「スポーツ」「文化」に新たに「環境」が加わり、地球環境について考えることが求められています。そこで、SDGs(持続可能な取り組み)の観点から東京2020大会を考えることを目的に、廃油を原料としたエコキャンドルづくり教室や、エコキャンドル点灯式の企画・運営を行いました。イベント開催に至るまでに組織委員会のオフィスを訪ね、オリンピック・パラリンピックと環境の関わりについてお話を伺えたのは貴重な機会でした。


駒木

私たちイベント部門では現在、メンバー間のオンライン交流会など、VIVASEDA内部の連携を強化するイベントをメインで開催しています。企業の協賛を受けた対外的なイベントについては、部門の枠を超えたプロジェクト単位で実施しています。例えば、2020年11月に早稲田スポーツ・健康月間の企画として実施した「早稲田2020 Sports Day」では、運営において野村證券株式会社や株式会社アシックスなど、東京2020大会のスポンサー企業と打ち合わせをする機会があったのが印象深いです。学生の提案を温かく受け入れていただき、信頼を得て一緒にイベントに取り組めました。しっかりとした思いを持っていれば、学生と社会人という立場の違いは関係ないことを感じました。

写真左:2020年12月開催のキャンドルナイトプロジェクト。キャンドルづくりは早稲田キャンパスとオンラインの両方で実施し、点灯式は12月11日に大隈記念講堂前で行った
写真右:2020年11月開催の早稲田2020 Sports Dayでは、上智大学の東京2020学生プロジェクトチーム「Go Beyond」ともコラボ。パラリンピックの競技である「ボッチャ」で対戦し、その様子を収録・放映した(紺色のシャツを着ているのがVIVASEDAメンバー)

駒木

あとは早稲田祭での出展が大きいですね。オンラインで開催された昨年の「早稲田祭2020」では、VIVASEDA として3つのコンテンツを発表しましたが、その中の1つは南スーダン選手団へのインタビュー。2019年11月に来日していた南スーダンの選手たちは、大会の延期で一度帰国する選択肢もあったのですが、内戦状態の母国よりも安全だからと日本に残る決断をしたんです。日本に住む立場からは想像しにくい境遇にいる人の思いを何とか広く届けたく、また個人的に紛争問題に関心を持っていたこともあり、企画を立ち上げました。最初は自分でも実現できるかどうか半信半疑でしたが、実際に選手たちの合宿先である群馬県前橋市でインタビューを行い、その映像を「早稲田祭2020」で流せたときには、本当に達成感で満たされました。

早稲田祭2020」で上映した、南スーダン選手へのインタビュー動画(クリックして動画視聴)

山本

自分たち広報部門の場合、そういった大規模なイベントを主催することはないのですが、各イベントを日々社会に向けて発信するという仕事を、こつこつと継続できたことは誇りに思います。

「早稲田祭2020」についてもTwitterで当日の様子をレポート

――東京2020大会の1年延期はVIVASEDAの活動にも大きな影響があったと思います。

山本

実は、VIVASEDAの活動に関してだけ言えば、「2020年の7月に通常開催されていたら、一体どうなっていたんだろう…」とよくメンバーで話題にするくらい、2020年に開催されていたら足りていなかった要素が多かったと思います。だからこそ、この与えられた1年を無駄にしないように十分に準備し、対応できたことがたくさんあります。

VIVASEDAメンバーとのオンラインミーティングの様子。
積極的にプライベートな話などをしてメンバー間の仲を深め、お互いのモチベーションを維持していた

大原

スポーツによって、暗い気持ちが明るい方向に転じる人もいるはず。少しずつでも、東京2020大会に関するポジティブな話題を発信し、それに気付いてくれる人を増やせればと思い、今の活動を続けています。また、スポーツの話題にばかり目が行きがちですが、キャンドルナイトプロジェクトのように、環境に興味がある人にも東京2020大会に関心を持ってもらえるように心掛けて企画を行っています。

山本

今は、少しでも多くの人が納得して東京2020大会が開かれてほしいと願っています。僕自身、VIVASEDAに入る前は、オリンピック・パラリンピックについて詳しくは知りませんでしたが、今ではマイナーと言われがちな競技でも「こんなに面白い競技があるよ!」と面白さを話せるようになりました。そういった競技の内容やアスリートの魅力もしっかり伝えていきたいです。

Instagramを通じ、さまざまな競技の魅力を紹介している

――そんなVIVASEDAの活動を通して身に付いたこと、学生生活に役立てられたことはありますか?

駒木

何事にも積極的になる姿勢や、仲間と議論を重ねてプロジェクト全体の方向性を決めていくためのコミュニケーションの重要性を認識できました。どうすればより多くの人をイベントに呼び込めるか考え続けてきたことは、これからさまざまな場面で生かせると思います。

山本

東京2020大会のために立ち上がったプロジェクトとして、全く前例がないことをやってきたので、新しいことでも臆せずチャレンジできるようになったと、振り返ってみて感じます。取りあえず、興味を持ったことは何でもどんどんやってみようと考えられるようになりました。

凝縮された歴史と今を体感!「早稲田スポーツミュージアム」

山本さんは早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)としても活動中

大原

授業で学んだことをVIVASEDAで生かせたこともあります。イベント部門が主催した、バリアフリー目線で有明・辰巳エリアの地図を作成するプロジェクト「naviva2020」に参加した際に、佐野友紀教授(人間科学学術院)の「建築人間工学」で学んだユニバーサルデザインの知識を反映できました。勉強してきたことが活動で生かせたときはうれしかったですし、逆にVIVASEDAでの活動がこれからの学びに生きることもあると期待しています。

「naviva2020」で作成した有明エリアの地図。
色覚障害を持つ方も確認できるよう、カラーユニバーサルデザインを採用した(クリックして拡大)

――最後に、VIVASEDAの今後の活動内容を教えてください。

山本

引き続き広報部門では、SNSを使って、東京2020大会に出場する早稲田大学の在学生・校友(卒業生)アスリートの紹介をしていきます。また、戸山キャンパス30号館(学生会館)アトリウムでもSNSで紹介したものと同じ内容のパネルを展示しているので、ぜひ見てほしいです。

駒木

東京2020大会期間中、VIVASEDAメンバー内でのオンライン観戦会を検討中で、ここまで力を合わせてきたメンバーとたくさんの競技を満喫する予定です。また、2019年に考案して好評だった学食とのコラボメニューについて、東京2020大会が終わったあとの秋学期にも、新たなメニューを提供できないか、早稲田大学生協と検討を進めています。東京2020大会お疲れさまでした! という形で実施できたらうれしいです。

写真左:学生会館アトリウムに展示されたアスリートパネル
写真右:大隈ガーデンハウスで広報活動中の一枚。2019年11月に早稲田大学生協とコラボしてイタリアンタコライスを販売

大原

東京2020大会開幕直近の、7月18日(日)19時から、オンラインで「イタリア代表チーム歓迎&交流イベント」を開催します。自宅からライブ動画を視聴できるように準備したので、多くの方に参加申し込みをしてもらい、一緒にイタリア代表チームの皆さんを歓迎してほしいです!

イタリア代表チームの応援ページはこちらから

VIVASEDAメンバーで。左から2人目が大原さん、4人目が山本さん、6人目が駒木さん

取材・文:オグマ ナオト(2002年第二文学部卒業)@oguman1977

VIVASEDA
Twitter:@vivaseda
Instagram:@vivaseda_waseda
Email:[email protected]
これまでの活動内容はこちらから確認できます。
東京2020大会について
【日程】
◆東京2020オリンピック競技大会:2021年7月23日(金)~8月8日(日)
◆東京2020パラリンピック競技大会:2021年8月24日(火)~9月5日(日)
オリンピックでは33競技339種目、パラリンピックでは22競技539種目について、メダルを巡り、戦いが繰り広げられます。多くの早大生・校友(卒業生)も出場予定! 出場が内定している選手一覧はこちらから。詳細は東京2020オリンピック競技大会東京2020パラリンピック競技大会公式ウェブサイトを確認してください。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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