Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

学生による学生のための異文化交流 気軽につながる一歩をICCから

2020年度以降、新型コロナウイルス感染症拡大のため日本への入国が制限された影響を受け、2021年度春学期も、キャンパスにいる留学生の姿は以前程ではなくなったように感じます。異文化交流の機会が減っているこのような状況下でも、ICC(異文化交流センター)では、さまざまな切り口からオンラインを中心に異文化交流の場を積極的に創出。そんなICCのイベントを中心になって運営しているのがSSL(学生スタッフリーダー)です。
SSLは、イベントの企画・運営を担当するほか、一緒にイベントを創り上げるためのサポーターを募集し、リーダーとして活動をまとめることも行います。SSLとして活動を支える2人に、このような状況下でのイベント運営の工夫や、ICCの魅力を聞きました。

「SSLの私たちも、イベントやラウンジを訪れてくれる人との出会いを楽しみにしています!」

ICC(異文化交流センター)学生スタッフリーダー(SSL)
国際教養学部 3年 北岡 和花(きたおか・わか)
大学院政治学研究科 修士課程 1年 レコント・ビビアン

――お二人はこれまでにどんなイベントを企画・担当されましたか?

北岡 2020年度秋学期に、オンライン「トーク・セッション」として、イラン出身の女優、サヘル・ローズさんをお招きしたイベントを企画・運営しました。

北岡 「トーク・セッション」とは、学外からゲストをお迎えし講演いただくイベントです。サヘル・ローズさんはイラン・イラク戦争の難民で、幼いころにご両親を亡くして、養母のもとで育てられたという背景をお持ちです。学校で受けた差別・偏見やいじめを乗り越え、現在は日本で女優として活躍しています。そのような経験から「異文化理解」はもとより、「表現」や「コミュニケーション」と関わる職業の視点から、コロナ禍で人とのつながりを感じにくいことや、オンライン上でコミュニケーションをとることの難しさに対して、何か改善のヒントをもらえればと考えたんです。

サヘル・ローズさんをお招きしたトーク・セッションイベントのポスター(クリックして拡大)。対面とオンラインの同時開催を予定していたが、緊急事態宣言の影響を受け全面オンライン開催に

レコント 「トーク・セッション」は異文化交流プラスαの要素もあります。例えば、企業のCEOや広報担当の方をお招きする企画も多く、学生が将来のキャリアを考えるきっかけとなりますし、ビジネスや、専門家のライフヒストリーに興味のある方にもお勧めです。今年1月に実施した、デジタルコンテンツ制作会社「チームラボ株式会社」の方をゲストスピーカーに招いたイベントでは、実際の仕事現場を画面越しにご紹介いただき、アートを生み出す仕事についてお話ししてもらいました。こうした貴重な機会に無料で参加できるのは、早大生のメリットだと思います。

チームラボ 〜ボーダーレス世界を生み出す〜のポスター(クリックして拡大)

レコント 他にも、ICCでは外部からの持ち込み企画も受け付けています。私が担当した「インド文化ナイト」というイベントは、インド人の学生団体「India-Japan Youth Forum」の提案がきっかけで実現しました。内容は、インド人学生に日本と母国の文化の違いをプレゼンしてもらい、その後早大生との交流会を行うというもの。オンラインでの実施で、参加者は70名ほどでした。インドについて知りたい人や英語を学びたい人、インド人学生と交流したい人にとって魅力的なイベントになったと思います。

インド文化ナイトの様子(Zoom)

レコント あと、ICCの有名なイベントといえば新入生歓迎イベントの「ウェルカム・カフェ」。今年はオンラインでの実施でしたが、全6回の開催で延べ120人ほどが参加してくれました。

北岡 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、大学生活をオンライン授業でスタートした人や、海外から授業に参加している人が多くいます。友達をつくれず不安な思いを抱える新入生に、友達づくりの場を提供することを目的に実施しました。

レコント このイベントでは、Zoomのブレイクアウトルーム機能を使って6人くらいのグループに分け、会話がはずむように工夫しました。もちろん、各グループには私たちSSLが1名参加し、会話をサポート。誰もが気軽に話せて、楽しく交流できているかを見ながらイベントを運営するのも私たちの役割です。

北岡 各グループで留学生と日本人学生を混ぜたり、興味関心が近い人同士を集めたりの工夫も。日本語初級の留学生や、英語初級の日本人学生がいた場合は、私たちが会話に入って交流をサポートしました。

――イベント企画だけでなく、交流のサポートもされているんですね。そんなSSLの仕事について、普段どんな思いで取り組まれていますか?

北岡 私はもともと異文化交流が好きで、1年生のころからICCに通っていました。そこで当時のSSLの方にとても丁寧に対応していただき、いずれは自分も運営側に加わり、異文化交流に興味のある人々をつなげたいと思ったのが、SSLになったきっかけです。現在は、皆さんに新たな文化や人との出合いを感じてもらい、「ICCに来てよかった」と思ってもらえるような場を提供したいと思っています。

レコント 私は学部生の4年間、早稲田の国際学生寮WISHで暮らしていました。そこで学生スタッフのRA(レジデント・アシスタント)としてイベントの企画・運営を経験。その後、大学院生になってからも、RAとして得たスキルを早稲田で役立てられたらと思い、SSLを志望しました。ICCのイベントに参加した皆さんが、終了後に笑顔になっている様子を見るのがやりがいです。また、イベントに協賛いただく企業や団体、大使館の担当者など、さまざまな人と連携して企画・運営するSSLの仕事は、自分自身の成長にもつながっています。

――お二人が考えるICCの魅力は何でしょうか?

北岡 スタッフの対応がとても丁寧であることだと思います。また、早稲田キャンパス3号館1階にあるICCのラウンジでは、さまざまな年齢・国籍の学生が、好きな時間にふらっと訪れ自由に過ごしています。強制的な雰囲気がなく、初対面でも気軽に会話が始まるようなフレンドリーな人たちが自然と集まる場所、というところも魅力です。多様性を受け入れてくれる環境が居心地よいのだと思います。

レコント ICCで出会った人とは、学内で再会したときも気軽にあいさつし合える関係性をつくれるところが魅力だと思います。1回きりではないんです。

ICCラウンジの一角には、異文化交流をしやすくするための、いろいろな仕掛けがある
写真左:室内では普段からジャズが流れていて、緊張感もほぐれ交流しやすい雰囲気に。また、室内に設置されているピアノは誰でも自由に使えるという
写真右:世界各地の情報が国別にまとまっているコーナーも。またその並びには旅行ガイドブックの『地球の歩き方』や『Lonely Planet』も置いてあり、自由に閲覧が可能

――先ほどお聞きしたイベントの実施については、新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインでの実施が増えていると思いますが、工夫したことはありますか?

北岡 以前、「ICC Tea Party」というイベントを実施しました。ICC留学生スタッフが、自国の美味しいお茶をICCのラウンジで紹介するというもので、お茶の比較試飲なども実施し好評を得ました。しかしコロナ禍では試飲イベントの実施は難しいことから、昨年は「ICC オンライン・ティーパーティー」として開催し、試飲の代わりにお茶に関する「クイズタイム」を実施しました。クイズは「Kahoot!」というオンラインツールを使用。早く正解した人ほどランキングが上がるシステムとし、上位3名には、早稲田ブレンド(オリジナルブレンドコーヒー)とお菓子のセットを後日プレゼントしました。このセットは、学内のUni.Shop125でも買うことができますよ。

レコント 30人くらいの参加者が競い合い、すごく盛り上がりました。

レコント あとは、オンラインだからこそできた交流もありました。先ほど紹介した「インド文化ナイト」では、インドの大学に通う学生もZoomで参加できましたし、天候に関係なく気軽に参加してもらえます。たまに、Wi-Fiがうまくつながらないトラブルもありますが…。

北岡 通信環境の状況によっては、主催者側のオンラインの画面がフリーズしてしまうこともありました。以来、万が一の場合に備えて、イベントをメインで進行するSSLのほかにサブのSSLも加え、バックアップ態勢をとるようにしています。こうした事前の準備は、コロナ禍になってからすごく増えましたね。

――それなら参加者も安心してオンライン上での交流を楽しめますね。最後に、在学生に向けてメッセージをお願いします。

北岡 今はオンライン上での交流がメインですが、「人とつながることで安心感を得られる場所であるように」との思いで活動しています。本当に軽い気持ちで大丈夫ですので、友達づくりに不安を抱えている人や、少しでも興味がある人は、ぜひイベントやラウンジに来てください。私たちSSLは、いろいろな方との出会いをとても楽しみにしています!

レコント ICCはサークルや部活とはまた違って、もし足が遠のいても気まずく思う必要はありません。就職活動が終わってから、あるいは1年振りにイベントに参加しようという人もウェルカムです! ラウンジは現在、平日10時から16時(※)まで開いています。何か質問があれば私たちが対応しますので、気軽に足を運んでください。

取材・文:萩原あとり

ICCはこんなところ

早稲田大学には世界100の国・地域から来た5,000人以上の学生が在籍し、また、例年長期・短期合わせて約4,000名の学生が海外へ留学しています。その多様性豊かな環境を生かし、異文化交流の充実を目指して設立されたのがICC(異文化交流センター)です。ICCは学生が主体となって企画・運営するコミュニティです。さまざまなバックグラウンドを持った学生たちが、国籍、エスニシティ、文化的背景など、あらゆる枠を超え、異文化理解を深めながら、一緒に課外活動を楽しんでいます。

興味を持った方は、まずはICCのWebサイトをチェックしてみてください。またイベント情報をいち早く入手するために、ICC NEWSメール配信への登録をお勧めしています。皆さんの積極的な参加をお待ちしています!

ICCスタッフのアダムスさん

ICC(異文化交流センター)
【場所】早稲田キャンパス3号館1階
【開室時間】月曜~金曜 10:00~16:00(土・日・祝祭日は閉室)
※2021年6月21日現在の状況。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により開室時間変更の可能性があります。
【E-mail】[email protected]
【TEL】03-5286-3990

イベント参加者の声

「ICCは誰かの存在とつながりを感じられる場所です」

人間科学部eスクール 3年 脇山 輝衣菜(わきやま・きいな)

2020年度秋学期より、「日英オンライン・エクスチェンジ・プログラム」、「にほんごペラペラクラブ」、「イングリッシュ・チャット・クラブ」、「海外協定校との交流プログラム」など、さまざまなイベントに参加してきました。物理的な移動の制限によって、想像以上に国際交流の機会が減少していることを感じる一方で、全てがオンライン化されたことで、世界へアクセスできる方法が拡大したとも感じ、ICCのイベントへの参加を決めました。ICCのイベントを通して、実践的に英語を使う機会が持てただけでなく、多様な価値観に触れ、共に成長したいと思える仲間に出会えたことは、私にとって大切な財産になりました。いまだ不確かさと不安が交錯する状況下で、ICCのイベントは誰かの存在とつながりを確かに感じられる希望の灯です。形は変わっても、変わらず活動を続けるために日々尽力してくださっているICCスタッフの皆様に感謝し、これからもさまざまな形で関わっていけたらと思います。

 

「ICCのおかげでオンラインでも楽しい学生生活が送れます」

国際教養学部 2年 ジョン・ミンワ

2020年7月以来、ICCのいろいろなイベントに参加してきました。その中で一番良かったのは「東京医科歯科大学×早稲田大学ICC英語ディスカッション・カフェ」です。

このディスカッション・カフェでは、東京医科歯科大学の学生と、「美」や「メディアリテラシー」などのテーマを中心にさまざまな話をすることができました。参加する前は、短いイベント時間内でこのようなアカデミックなテーマについてディスカッションができるかどうか不安でした。しかし、本イベントでの経験は今も忘れられないほど快適で、面白かったです。

全体に対する基本的なレクチャーを受けた後、グループに分かれ各テーマに関しての意見交換を行いました。自分の経験と意見を自由に伝えられたのは、とてもうれしかったです。そして、早稲田大学の学生だけではなく、東京医科歯科大学の学生たちと交流できたということも良かったです。

最初は、早稲田大学に対しての好奇心をきっかけに参加しました。というのは、入学して以来ずっと授業がオンラインであったことから、早稲田のことも知らないし、他の学生たちとの交流ももっと必要だと思っていたためです。しかし、ICCのおかげで、今ではオンラインでも楽しい学生生活が送れています。今後のイベントも楽しみです。どうぞよろしくお願いします。

【次回フォーカス予告】6月28日(月)公開「ボランティア特集」

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