Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

W杯で学んだ信じる力で帝京撃破 ラグビー部、早慶・早明戦制して日本一へ

写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部

11月23日(祝・土)早慶戦、12月1日(日)早明戦
秩父宮ラグビー場で早稲田一丸となって応援しよう

W杯の興奮冷めやらぬ中、11月10日(日)、秩父宮ラグビー場で早稲田大学対帝京大学の試合が行われ、早稲田が34-32で劇的な逆転勝利。関東大学対抗戦で早稲田が帝京に勝ったのは、2010年以来、実に9年ぶりでした。

創部100周年の2018年度は、8年ぶりに関東大学対抗戦で優勝したものの、帝京大学には敗北。大学ラグビー日本一を決定する全国大学選手権では明治大学に4点差で敗れ、涙を飲んだラグビー蹴球部。しかし、今季は早稲田ファンの間で「黄金世代」と言われる4年生を中心に、これまで5戦全勝と躍進しています。

いよいよ11月23日(祝・土)は早慶戦、12月1日(日)には早明戦が開催されます。『早稲田ウィークリー』では、主将の齋藤直人選手(スポーツ科学部4年)、副将の幸重天選手(文化構想学部4年)、司令塔の岸岡智樹選手(教育学部4年)の3名に、10月にインタビューを実施。試合への意気込みやW杯のことなどを聞きました。帝京大学戦でロスタイムに自らトライを決めた齋藤主将は、W杯を見て「全員が勝つことを信じることの大切さ」を感じたと言います。チームスローガン「For One」を掲げ、11季ぶりの全国大学選手権優勝を目指して、まずは早慶戦・早明戦勝利へと意気込むチームの活躍を、秩父宮ラグビー場で、早稲田一丸となって応援しましょう!

プレーでチームを引っ張る早稲田のエース

スポーツ科学部 4年 齋藤 直人(さいとう・なおと) 主将・スクラムハーフ(SH) 桐蔭学園高等学校出身

11月10日関東大学対抗戦、帝京大学戦(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――今年のチームスローガン「For One」に込めた狙いとは?

「For One」のOneは、何事にも勝つこと、一番になることで、チームとして優勝することが大前提としてあります。もう一つは、そのOneになるためには何をするべきか、部員一人一人が考え続ける必要があるという意味の「For One」です。部員は約130人います。その全員の考えが集結したときに日本一につながる、という意味を込めています。

――昨年は関東大学対抗戦で8年ぶりの優勝を果たしましたが、目標としていた大学選手権優勝には、準決勝で明治大学に敗れ、あと一歩届きませんでした。その「あと一歩」のために、今季は具体的にどのようなラグビーを目指しているのでしょうか?

昨年に引き続き、攻守ともに15人が動き続けるラグビーに加え、今年は全ての面での進化、一つ一つのプレーの質を上げていく、という目標を掲げています。監督はよく「ディテール」という言葉を使うのですが、昨年の結果を超えるために、プレーの精度にこだわって練習しています。

また、昨年の大学選手権で明治に敗れた際、相手のディフェンスに負けてしまったという印象があります。ならば、今年は自分たちがディフェンスから流れを生み出せるチームになろうという意識を全員が持っています。伸ばさなければいけない部分はまだまだ多いですが、ここまでは練習の成果が出せていると実感しています。

――齋藤主将の代は、早稲田ファンから「黄金世代を築け」と期待されています。最終学年となり「今年こそ大学日本一を」という周囲の声も大きいと思いますが。

そのように言われるのはうれしい反面、調子に乗れば足をすくわれます。僕たちはまだ何も成し遂げていません。結果を出して「やっぱりそうだったな」と言われるように頑張りたいです。

――W杯を見てラグビーの面白さに目覚めた早大生も多いと思います。そんな人たちにあらためてラグビーの魅力、早稲田ラグビーの特徴を教えてください。

僕が考えるラグビーの魅力は、得点までの過程です。得点につなげるために、全員が自分を犠牲にしてトライを奪います。そのときにトライした人だけが評価されるのではなく、その過程を評価されるところがラグビーの素晴らしいところだと思います。

ですので、試合を見る際には、15人全員が得点のため、チームのために体を張り続けるところに注目してほしいですし、そんなプレーを徹底できるところが早稲田ラグビーの特徴です。

僕個人としては、スクラムハーフとしてボールの近くにいることが多いはずなので、運動量に注目していただければと思います。

――昨年は、学生で唯一W杯代表候補に選出されました。齋藤主将が今回のW杯で感じたことは何でしたか?

春にけがをしたこともあり、代表へ挑戦することに対してネガティブになっていました。自分にもチャンスがあったのに、気持ちがついていかなったことを悔しく思っています。今回は無理でしたが、4年後は必ずあの場所を目指したいと思いました。

W杯での日本代表の戦いぶりを見て感じたのは、勝つことを全員が信じ切ったからこそ結果がついてきた、ということです。自分たちが見習わなければいけない大事な部分です。

――自身にとっての最後の早慶戦・早明戦へ向けての意気込みをお願いします。

早慶戦では僕らの代は入学以降負けていません。だからこそ今年も勝ちます! 明治には昨年対抗戦では勝ちましたが、大学選手権で負けてしまいました。今年は先輩たちの気持ちも背負って戦わなければいけません。自分たちがやってきたことを出せれば勝てると思いますし、それだけやってきたという自信もあります。早慶戦・早明戦だからというよりも、自分たちの力を100%出せるよう準備をしていきたいと思います。

最前線で体を張り続ける副将

文化構想学部 4年 幸重 天(ゆきしげ・たかし) 副将・フランカー(FL) 県立大分舞鶴高等学校出身

11月10日関東大学対抗戦、帝京大学戦(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――例年以上にディフェンスに注力しているという今シーズン。副将として、スクラムでも体を張るフランカーとして、意識していることは?

まずはフィットネスの部分、体力の部分で昨年以上にトレーニングを積んでいます。チームから課されるメニューも昨年以上に厳しくなり、走る量や体を当てる量も単純に増えました。その結果として、相手に当たり負けしなかったり、試合の中で防ぎきる場面が増えたりと、成果は着々と出ています。

――その中で、自分のこの部分を見てほしい、というポイントは?

フランカーとしては体も小さいですし、あまり派手なプレーができるわけではありません。となると、愚直に体を張る姿勢だったり、ピッチのどこにでも顔を出してボールに絡むところです。目立たない部分ですが、陰で活躍しているところを見てほしいですね。

11月10日関東大学対抗戦、帝京大学戦(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――大学ラグビー、早稲田ラグビーの魅力とは?

大学ラグビーの醍醐味(だいごみ)は、大学の名にかけて戦うところです。それこそ、早慶戦・早明戦ともなれば、早大生はもちろん、ファンや校友の皆さまが集まって、応援も含めて熱い戦いになります。その雰囲気をぜひ楽しんでほしいと思います。

そして、今年の早稲田のラグビーは、強力なバックス陣が縦横無尽に走り回って、ボールが動くラグビーです。そこは楽しく見ていただける部分だと思います。ただ、バックスが生きるためにはフォワードの僕らが戦わないといけません。試合の勝敗はフォワードが決めると思っています。特に今年はスクラムからの展開など、セットプレーの強化を目指してトレーニングを積んでいます。その成果が出れば、確実に大学日本一に近づけると思っています。

――最後の早慶・早明戦、あらためて意気込みを。

早慶戦ではもう何年も負けていませんが、今年の慶應にはニュージーランドからの留学生が加わり、違ったチームカラーや強みを出してくると思います。それでも、早稲田としては負けるわけにはいきません。まずは慶應に勝つ。そう思っています。

明治に関しては昨年、大学選手権の準決勝で負けて悔しい思いをしました。先輩たちの涙もたくさん見てきたので、リベンジしたい気持ちが強いです。最後は勝って、笑って終わりたいですね。

超ロングキックで試合の流れを変える司令塔

教育学部 4年 岸岡 智樹(きしおか・ともき) スタンドオフ(SO) 東海大学附属大阪仰星高等学校出身

11月10日関東大学対抗戦、帝京大学戦(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

―― 司令塔であるスタンドオフとして、今年目指すのはどんなラグビーですか?

今年の早稲田のストロングポイントは、得点能力が高いバックス陣です。「展開ラグビー」と言いますが、グラウンドを広く使ってボールを動かすようなラグビーを見ていただけるはずですし、初心者の方でもボールが動いた方が楽しく観戦できると思います。

そんな強いバックス陣がベースにありつつ、フォワード陣もトレーニングの成果が出て力強くなっています。春はまだスクラムでも引け目を感じる部分がありましたが、夏の練習試合では強豪の天理大学・帝京大学相手にもしっかりとスクラムを組め、スクラムトライを取る場面もありました。

――長いラグビー部の歴史で、教育学部数学科の部員は岸岡選手が2人目。文武両道は大変だったと聞きます。乗り越えられた要因、理系選手ならではの強みは何でしょうか?

日本で、トップレベルの文武両道を目指せる大学といえば早稲田です。そう思ってこの環境に飛び込みました。正直、つらかった時期もありましたが、しんどいときは「自分が本当にやると決めた」という原点に戻ることで頑張れたと思います。

スタンドオフは司令塔の役割なので、味方に分かりやすく、端的に、的確に伝える能力が求められます。試合中、30秒もない中で話をまとめ、15人の意思統一をするという能力は、大学の授業で培った論理的思考力とひも付いている部分かなと思います。

―― 昨年の早慶戦では、55mの超ロングドロップゴールで会場を沸かせました。今年はどんなプレーで沸かせたいですか?

やはりキックに注目してほしいですが、今、意識しているのはボールをタッチラインの外に出す「タッチキック」です。ゴールライン近くに蹴り出すことができれば、それだけトライのチャンスも増えます。1m、2mの差が勝敗を分けることもあります。

ドロップゴールのチャンスは1試合に1回あるかないかです。でも、タッチキックのシーンは何度もあります。その精度を上げ、「タッチキックがうまいのはコイツだ」と言われるような選手になりたいです。

11月10日関東大学対抗戦、帝京大学戦(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

―― 最後の早慶戦・早明戦へ向けて、意気込みをお願いします。

自分たちが入学して以降、慶應には毎年勝っています。だからといって今年も勝てるとは限りません。下馬評通りにはいかないのが早慶戦の試合だと気を引き締めて臨みたいです。

そして、昨年の大学選手権で負けた明治は、早稲田の誇りに掛けて負けてはいけない相手です。しっかり結果を出して、W杯で生まれた熱を大学ラグビーでも広げられるように頑張りたいと思います。

秩父宮ラグビー場に応援に駆けつけよう!
■試合日時
【早慶戦】 11月23日(祝・土) 14時キックオフ@秩父宮ラグビー場
【早明戦】 12月 1 日(日) 14時キックオフ@秩父宮ラグビー場

11月10日関東大学対抗戦、帝京大学戦(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

取材・文:オグマ ナオト(2002年、第二文学部卒)

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