【学生の声】当たり前ではない日常を見つめ直した4日間
社会科学部3年 杉田 知駿
初日、まず取り組んだのが、裸足で森を歩くプログラムです。靴と靴下を脱ぎ、二人一組で交代に目隠しをして森の中を進みました。目隠しをすると、普段は意識していない足裏の感触や木々の音、においなどがよく分かり、視覚に頼らずに森を感じることができました。また、目隠しをしたパートナーを安全に導く必要があり、相手の立場に立って行動することの難しさも感じました。続いて、地球46億年の歴史を460メートルの道に置き換えた「46億年・地球の道」を、インストラクターの解説を聞きながら歩きました。人類の歴史がゴール直前のほんのわずかな区間でしかないことを知り、その短い時間の中で人間が地球環境を大きく変えてきたことを実感しました。
4日間で最も大変だったのが2日目です。富良野演劇工場での演劇ワークショップ、原田農園でのトマトの農作業の手伝いの後、電気・ガス・水道を使わない「原始的生活」を体験しました。特に大変だったのが火おこしです。大雨が降りしきる中、薪に何度も火をつけようとしましたが、なかなかうまくいきません。夜になっても十分な火力を保つことができず、どうすればいいのか分からない状況に強い絶望感を覚えました。最終的にはインストラクター方に助けていただき、ようやく火を確保することができました。普段ならスイッチ一つで火が使え、蛇口をひねれば水が出ます。しかし、その環境から離れてみると、自分がどれだけ便利な生活に頼っていたのかを実感しました。
3日目は早朝の水汲みから始まり、朝食も自分たちで作って食べ、その後は雨の中でトレッキングに出発しました。雨の中を歩くのは楽ではありませんでしたが、進むにつれて、雨水が森に蓄えられていく様子を間近で見ることができました。前日に苦労したからこそ、自然が水を蓄えてくれていることをより身近に感じました。
最終日は初日のキャンプ地に戻り、植樹活動を行いました。この場所はかつてゴルフ場として開発された土地で、富良野自然塾ではそこを元の森に還す取り組みを続けています。私たちが植えた苗木はごくわずかで、森になるまでには長い年月がかかります。それでも、初日に地球46億年の歴史をたどったことを思い出しながら、50年後、100年後のこの場所を想像して一本一本の苗を植えました。
この4日間で、普段当たり前に使っている電気・ガス・水道や温かいお風呂を離れ、不便な生活を経験しました。また、演劇ワークショップを通して、言葉だけでは思うように伝わらないことも学びました。中でも、何度やっても火がつかなかったときの経験は、自分の生活が多くの便利なものに支えられていることを強く意識するきっかけになりました。決して楽な行程ではありませんでしたが、8人の仲間と協力して最後まで乗り越えられたことを嬉しく思います。今回の経験をこれからの生活にも生かし、日ごろ意識せずに受け入れているものについて、一度立ち止まって考えることを大切にしていきたいです。

富良野スタディツアー
テレビドラマ『北の国から』(フジテレビ系列)などで著名な作家・倉本聰氏が主宰する「富良野自然塾」と、WAVOCが共同で主催する3泊4日のプログラムです。
富良野の大自然を五感で感じながら環境について学ぶ「環境教育プログラム」、富良野の地に根付く演劇的手法を用いて現地の風土を感じる「表現ワークショップ」、そして電気やガスのない中でエネルギーに頼らない原始的な生活を送る「生活体験プログラム」など、富良野の地ならではのさまざまな体験をします。
また、富良野で活躍する卒業生から、農業やまちづくり、地域交流事業について学びます。




