【開催レポート】早稲田大阪高等学校「WAVOC特別講座」に参加しました
2026年9月3日(木)、大阪府茨木市にある早稲田大学系属校の早稲田大阪高等学校にて、高校1年生と早稲田コース2年生を対象とした「WAVOC特別講座」が開催されました。
この講座は、早稲田大阪高等学校と平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)が毎年行っている取り組みです。高校生がボランティア活動について学び、社会との関わり方を考える機会として、同校の生徒による活動発表やWAVOCの紹介、早稲田大学の学生によるボランティア活動の紹介などが行われました。
早稲田大阪高等学校では、生徒が社会と主体的に関わり、自ら考え行動するための学びの場として、新たに「ボランティアセンター」を設置しています。地域での清掃活動や子ども食堂、SDGsワークショップなど、さまざまな活動に取り組むほか、WAVOCや地域団体とも連携しながら、生徒たちの活動の幅を広げています。今回の講座でも、こうした活動に取り組む高校生と、大学でボランティア活動を行う学生が、それぞれの経験を共有しました。
高校生が取り組むボランティア・探究活動
はじめに、高校生からこれまで取り組んできた活動について発表がありました。
一つ目の発表では、「和歌山県紀の川市の事例から見るフードロス」をテーマに、地域における食品ロスについて紹介。生産から販売、消費までの過程に目を向け、現地の生産者や事業者へのインタビューなどを通して、廃棄されるものに新たな価値を生み出す方法を考えました。実際に、廃棄されるゆずの種などを活用して入浴剤をつくり、販売につなげる取り組みも紹介されました。
二つ目の発表では、「ボランティアから学んだ『社会の仕組み』の変え方」をテーマに、清掃活動や子ども食堂、子どもたちへのSDGs教育など、自分たちのさまざまなボランティア経験を振り返りました。活動を通して、目の前にある課題に対応するだけでなく、「なぜこの問題が起きているのか」と、その背景にある社会の仕組みまで考えることの大切さを学んだと発表しました。
高校生が自分たちの経験をもとに、社会課題について考えたことを自分たちの言葉で発表する姿が印象的でした。
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WAVOCってどんなところ?
続いて、WAVOC職員からWAVOCの活動について紹介しました。
「誰かのために何かしたい」という気持ちを出発点として、ボランティアについて学んだり、実際の活動に参加したりできるさまざまな機会を提供していることを説明。また、現在WAVOCが支援している学生サークルには、国際交流、地域、環境、教育など、さまざまな分野で活動する団体があることも紹介しました。
今回は、その中から「環境ロドリゲス」と「ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~」の2団体が参加しました。
「環境ロドリゲス」
ー環境活動は意外と身近なところから
「環境ロドリゲス」からは、環境問題に関する幅広い活動を紹介しました。
環境ロドリゲスは、学生が主体となり、多様なアプローチから環境問題に取り組む団体です。里山の自然を守る活動や、地域の子どもたちを対象とした環境学習、地域イベントへの参加など、さまざまな活動を行っています。発表では、それぞれの活動を写真などを交えながら紹介し、環境問題への関わり方にはさまざまな入り口があることを伝えました。
環境問題というと、一見すると難しく、大きな取り組みが必要なように感じられます。しかし、実際には身近な自然や地域での活動など、自分の興味や関心をきっかけに関わることができます。また、環境について考える中では、「環境に良い・悪い」だけでは簡単に答えを出せない問題もあり、自然環境だけでなく、そこに暮らす人々の生活など、さまざまな視点から考えることの大切さについても話しました。
さらに、活動を通して得たものとして、環境問題について考える視点だけでなく、大学生活の中で生まれた仲間とのつながりや、活動をともにする中で得られたかけがえのない思い出についても紹介しました。
最後に高校生に向けて、環境活動やボランティアは決してハードルの高いものではなく、意外と身近なところに活動への入り口があること、そして、大学生になったらぜひ自分が興味を持ったことから一歩踏み出してみてほしいと伝えました。

「ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~」
ーラオスでの教育支援を通して「ともに学ぶ」
「ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~」からは、ラオス南部のチャンパサック県を中心とした教育支援活動について紹介しました。
スーンでは、現地の学校で地域の文化や世界遺産について学ぶ「遺産教育」に取り組んでいます。発表では、実際の授業の様子を紹介しながら、模型や実験道具を自分たちで工夫して授業をつくったり、地域の歴史を寸劇で伝えたりするなど、子どもたちが楽しみながら学べる授業を、時間をかけて準備していることを紹介しました。
また、活動の背景として、世界遺産登録をめぐる政策の中で、地域の人々の思いが十分に考慮されないまま観光地化が進められた歴史にも触れました。早稲田大学では、地域の人々が世界遺産を中心としたコミュニティをつくっていくことを目指し、現地に小学校を建設。その後も「学校を建てて終わり」にするのではなく、継続して現地を訪れ、毎年の遺産教育を通して地域の人々との関係を築いてきました。
こうした活動を通して大切にしているのが、「共に考え、共に感じる」という姿勢です。ボランティアでは、ともすると「自分たちが支援する側」と考えてしまいがちですが、現地の子どもたちとの交流を重ねる中で、学生自身も多くのことを学び、受け取っています。発表では、物資を届けるだけの一方的な支援ではなく、何度も現地を訪れ、時間をかけて関係を築きながら、ともに考えていくことの大切さについても伝えました。
大学生だからこそできることとして、必ずしも多くのお金や物資を持っているわけではなくても、時間をかけて人と関わり、関係を築いていくことができるという点にも触れました。高校生に向けて、自分にできることは何かを考えながら、まずは一歩踏み出してみてほしいと呼びかけました。

高校生と大学生、それぞれの経験を共有する時間に
今回の講座では、高校生と大学生がそれぞれのボランティア活動について発表し、お互いの経験に耳を傾けました。
高校生にとっては、大学生が実際にどのような思いで活動しているのかを知る機会となり、大学生にとっても、高校生が自分たちの活動を振り返り、社会課題について考えている姿から刺激を受ける時間となりました。
ボランティア活動を「誰かのために何かをすること」だけで終わらせず、活動を通して社会について考え、自分自身の学びにつなげていく。今回の講座が、高校生と大学生それぞれにとって、新たな一歩を考えるきっかけとなりました。
当日講演を行った本学学生の感想
【WAVOC支援サークル「環境ロドリゲス」】
(法学部3年 新井 隼、創造理工学部3年 小池 太樹)
早稲田大阪高等学校での「WAVOC特別講座」にて、高校生の皆さんのボランティア発表の聴講と、WAVOC支援サークルとして活動紹介をさせていただきました。
高校生の皆さんが発揮する優れた課題発見力や活動における丁寧なプロセス管理、そしてボランティアでの経験を言語化・統合して次へ繋げる力に大きな刺激と感銘を受けました。
環境ロドリゲスとしては環境活動やボランティアは特別なものではなく、サークルでは楽しく社会貢献できること、そして個人のサークルに参加したきっかけや、等身大の葛藤を率直にお話ししました。今回の経験が高校生の皆さんの新たな挑戦の契機となれば幸いです。
ここで得た多くの学びを、今後の活動や社会生活へとしっかりと活かしていきたいと思います。
貴重な機会をいただきありがとうございました。
◆ Instagram公式アカウント:環境ロドリゲス
【WAVOC支援サークル「ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~」】
(法学部3年 甘利 道真、教育学部2年 今井 すず)
早稲田大阪高等学校での特別講座にて、高校1・2年生に向けてラオスでのボランティア活動についてお話しする機会をいただきました。前半の高校生によるプレゼンでは、ボランティアを通じて得た視点や考え方が見事に表現されており、同じ活動をする者として深く共感し、大いに感銘を受けました。
特に印象深かったのは、高校生、環境ロドリゲス、そして私たちスーンの全てのプレゼンターが、「自分たちの活動に意味があるのか」という同じ悩みにぶつかりながら活動している点でした。対象は人、環境、社会とそれぞれ異なっていても、同じ課題に直面していました。この葛藤と向き合うことは、ボランティアを行う上で欠かせない大切なプロセスなのだと改めて実感しました。
生徒の皆さんは私たちの話を真剣に聞いてくださり、その真摯な姿勢がとても嬉しかったです。今回の交流をきっかけに、これまでボランティアに馴染みのなかった生徒の皆さんも少しでも関心を持ってくれたら嬉しいです。そして、将来早稲田大学に入学された際には、ぜひスーンの仲間として一緒に活動できたらと願っています。
◆ Instagram公式アカウント:ラオス学校建設教育支援プロジェクト〜スーン〜 suun〜






