WAVOC20周年記念インタビュー
~ボルネオから北欧、そしてアニメーションスタジオへ!~ 松木 蓮さん
WAVOCでは、設立20周年記念事業として、「いま、つながる/つながりなおす」をテーマに、早稲田大学在学中にボランティアに関わり、現在は社会人として活躍されている方々にインタビューを行っています!
学生リーダーの菊池は、アニメーションスタジオ・トンコハウスジャパン株式会社のプロジェクトマネージャー、松木蓮さんにお話を伺いました。松木さんは国際教養学部に在学中、ボルネオプロジェクトに参加されていました。今回のインタビューでは、松木さんの早稲田大学からアニメーションスタジオに至るまでの進路選択について、そしてアクティブに活動する際に大切にしていることに迫りました。
目次
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―こんにちは。本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ボルネオプロジェクトに関して
―在学中、どうしてボランティアに参加したのですか。
ボランティアや国際協力にもともと興味がありました。国際教養学部だったということもあり、海外での活動に特に関心がありました。国際教養学部では2年の夏に留学があるのですが、それまでにできるだけ海外に行きたいと思っていました。そこでいろいろと探すうちに見つけた、海外ボランティアが面白そうだと思いました。最初からボランティアをがっつりやりたかったというよりは、海外に行ける手段を探していた時に、最適解がボランティアだった感じです。
―参加されていたボルネオプロジェクトについて伺ってもよろしいですか。
大学一年生の時にボルネオプロジェクトに入りました。僕が参加していた2016年に10周年くらいだったので、WAVOCでも歴史のあるプロジェクトだと思います。長期休暇の時に2~3週間、マレーシアのボルネオ島で、学校に通えない子供たちに教育の機会を作る活動を地域の学生と行います。僕はプロジェクトに二回参加し、二回目の渡航の際は、メンバーの総括を行っていました。

ボルネオプロジェクトで活動する松木さん(画面右)
大学院進学と就職
―松木さんは在学中に、スウェーデンのルンド大学に留学されていました。そして卒業後はノルウェーとデンマークの大学院に進学されています。やはり北欧に対する特別な思いがあり、大学院に進学したのでしょうか。
大学院に関して、僕は、もう一回自分の目で北欧を見て、その本質を探りたいと思っていました。「理想郷」「幸福度の高い国」としてラベルを張られることが多い北欧ですが、果たして本当にそうだろうか?という思いがありました。早稲田在学中のルンド大学への留学は、初めての海外の生活、ヨーロッパの綺麗な町での生活、それらの影響で無意識に美化していたのではないか、という疑問もありました。大学院のカリキュラムも社会保障やソーシャルワークで社会の本質を探ることができそうな内容だったため、色々なピースが「カチッ」とはまり、大学院への進学を決めました。

デンマーク、オールボー大学にて
―修士課程を終えた後は、トンコハウスジャパンに就職されています。なぜ現在の会社で働こうと決めたのでしょうか。
学部卒業後、大学院での学業の傍らで「北欧情報メディアNorr」という北欧に特化した情報メディアを知人と立ち上げ、記事を書いていました。発信していく中で、テキストでのアウトプットの制約を感じ、より良い手段を模索していました。結果として、ビジュアルコミュニケーションという形で物語に乗せてアプローチする方が幅広い層の方に届けられるのではないかと思いました。その当時、トンコハウスの『ダム・キーパー』という短編映画を見たのですが、そのストーリーはもちろんのこと、光や色でメッセージを伝えようとする姿勢に強く感銘を受けました。そこでクリエイティブな方面に興味が湧き、作品が作られ、届けられる過程を学ぼうと思い、トンコハウスに就職しました。僕は作品を作ることをゴールにこの業界に飛び込んだのではなく、作品という手段を通してどのように社会に働きかけていけるのかを考えたいと思っています。トンコハウスの理念である「ストーリーテリングを通じて、社会にどのようにアプローチしていくか、問いかけていくか」に共鳴するところがあります。

部屋に飾られていた「ダム・キーパー」の絵本を紹介する松木さん。(撮影:菊池)
アクティブで居続けるために
―クリエイティブな業界で働く松木さんは、大学院で学業に励む傍ら、ご自身の北欧情報メディアで情報発信を行うなど、多方面で積極的に活動されています。その秘訣や、もしくは常に考えていることがあれば教えてください。
パッションという部分で言うと「なんでそれをやっているのか?」「なんでそれをやりたいのか?」という「why?」の部分が一番大事だと思います。メディアを作ったのも、「発信した先に何を求めているのか?」「なぜそのメディアが必要なのか?」といったことを考えてのことで、目的があった方が楽しんで取り組めます。突き詰めていけば、やはりそこが大切なのだと思います。また、僕はアカデミック畑出身で今のクリエイティブ業界に居るわけですが、自分がこの業界に身を置く理由は常々思い返すようにしています。自分の核となる部分が定まっていれば、それが原動力となり自ずと次の一歩も踏み出しやすいのではないかと思います。
学生へのメッセージ
―将来について考える早大生に、メッセージをお願いします。
これまでの自分の経験から言えるメッセージは、「何かとりあえず、自分でやってみよう」というのが一つあります。「とりあえずWebサイトを作ってみよう」とか。面白いことや興味があることがあったら、自分の気持ちに素直になり、時間をかけてやっていくことが大切だと思います。また、何もない状態で「やりたいこと」を見つけるのは大変なので、いろいろな経験をしていく中で「やりたい!」を見つけていくのが良いと思います。どこかのタイミングで「自分に合っているもの」「自分がすごくパッションを注げるもの」が出てくると思います。それに、「やりたいこと」は何でも良くて、それが必ずしも人に理解されなくてもいいんですよね。ここまでお話ししてきてなんとなくお察しかと思いますが、僕の経歴は「いびつ」な形をしています。これからの時代で重要になってくるのは、他者と異なっている人、「いびつ」な経歴をしているような人だと思います。だから自分のやりたいことをひたすら極めて、他の人と異なっていくのが良いと思います。
―ありがとうございます。たしかに松木さんのキャリアは一見しただけでは「いびつ」に思えます。(笑)でも「なぜ?」の所で深堀りすると、実はすべて繋がっている気がします。
本当にそうなんですよね。大学院で社会保障について学び、アニメーション会社に入る―理解されないかもしれません。でも、根っこの部分の考えは繋がっているということ、そしてそのことが自分の中で腑に落ちていればいいのだと思います。
WAVOCへのメッセージ
―最後に、20周年を迎えたWAVOCにメッセージをお願いします。
20周年ということで、かなり長い歴史がある団体だと感じます。私はボルネオプロジェクトに参加しましたが、他にも様々なプロジェクトが存在し、様々な思いを持った人が国内外で活躍されていると思います。WAVOCはそのような人たちと交流できる場所、出会える場所です。刺激を貰える凄く良い経験になると思うので、是非WAVOCの活動に参加してください。
インタビュー後記
今回のインタビューを通して、松木さんの「why?」の部分を考え抜く姿勢が学びになりました。また、興味のあることにとりあえず挑戦してみることは、WAVOCのスローガンの一つ「一歩踏み出す、ぐっと広がる」に通じるものを感じました。新しいことに挑戦する時、委縮してしまうことが良くあります。しかし自分が本当に好きなことを見つけるためにも、前向きに進みたいと思いました。実際に私も、インタビュー記事の執筆を初めて担当して、その面白さと可能性に気が付きました!
この記事が、読者の方の新しいチャレンジの応援になれば嬉しいです。
取材・文:WAVOC学生リーダー 菊池 侑大
| 【今回のインタビュイー】 |
| 松木 蓮 さん |
| 2015〜19年 早稲田大学国際教養学部に在学 在学中にボルネオプロジェクトに参加 |
| 2016〜17年 ルンド大学に留学(スウェーデン) |
| 2019〜21年 スタヴァンゲル大学修士課程(ノルウェー) オールボー大学修士課程(デンマーク) ソーシャルワーク専攻 |
| 2021年〜現在 トンコハウスジャパン株式会社 プロジェクトマネージャー |




