初めてのボランティア:期待、気づき、達成感、そして現状
~体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」7~
加藤 太一 (商学部2年)
6月と7月をまたいで2週続けて山梨県丹波山村に出向いた。その目的は、授業の実習としてのボランティア活動である。多くの履修生がボランティアの体験がある中で、私は初めての試みだった。その活動内容は、「空き家を再生する」というもので、正直「体力的には余裕だ」と見くびっていた。
まずは、床をやすりで削ってニスを塗った。この作業、一見単純で簡単に見えるが、実は奥が深くて難しく、しかも体力が必要となる。

やすりがけをする履修生達。防塵マスクが必須アイテムだ。
その作業を終えてからは天井のペンキ塗りの作業に移った。このペンキ塗りが一番厄介だった。まず天井にペンキを塗るので、純粋に腕が疲れる。12年間野球をやっていた私でさえ、ものの10分で腕がパンパンになった。次に、自分の頭の上にペンキを塗るので自分にペンキが降ってくる。実際に全員服は白いペンキまみれになったし、目の中にペンキが入ってしまった履修生もいた(これは結構危険で2回目からはゴーグルが用意された)。

天井にペンキを塗る履修生。この日は猛暑で全員汗だくだ。
そんな調子で空き家のリノベーションを終えた時、今までに感じたことのない達成感を覚えた。ペンキだらけの服も、汗でお風呂上がりのようになった髪も、すべてどうでもよくなるような達成感であった。これが無償で人に貢献することの代償なのか、そう考えるとボランティアは本当に素晴らしいと思えた。一方で、現状も垣間見えた。履修生20人弱が2日かけて、たった一軒の空き家を再生するのが精一杯だった。それならば、全国に無数に存在する空き家を全てリノベーションするにはどのくらいの人、期間が必要なのか。とても途方の無いことだと感じてしまった。しかし、ボランティアは素晴らしい!初めての私も、これだけは自信を持って言える。

ボランティア後の集合写真。無限の達成感。感無量。
≪体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」のこれまでの連載記事はこちらから≫
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2021/10/22/6915/