命をいただく ~体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」2~
小圷紗愛(法学部3年)
今回、私達が訪れたのは、山梨県郡内地方、その中でも北都留郡に位置する丹波山村という所である。
ここは、人口535人の小さな村で、自然溢れる場所だ。
この村の課題、それは「害獣駆除」
野生の鹿がたくさん繁殖している今、駆除に村人は追われている。
しかし、「ただ、駆除する。」という考えはない。害獣と言えども生き物である以上、殺めた命を最後まで自分たちで頂くというのが彼らのモットーでもある。今回は、そこに着眼して話そうと思う。
まず、仕留めた鹿は解体施設に運ばれる。そこで、内臓を取り出す、皮を剥ぐなどの作業が行われ、肉の塊のような形になるまで処理される。実際、私自身解体を手伝わせてもらったが、この部位は何に使われるか、どうやって利用するかなどのお話を伺うことができ、緊張もしたが責任を持って取り組めた。
また、人間が食べられないお肉などは、ペット用に加工される。犬や猫は本能的に野生の動物をとても好むので、ペットにとっても私達にとっても一石二鳥なのかもしれない。
また、鹿の骨を使ってお出汁をとるなどした鹿ラーメンをキッチンカーで販売している。
このように仕留めた鹿の部位を一つも残さず、利用するという考えにとても感銘を受けた。また、実際自分の目で見ることにより、命の有難さをいつも以上に知ることができた。
≪体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」のこれまでの連載記事はこちらから≫
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2021/10/22/6915/