初めての狩猟の現場〜「狩り部」ってなんだ 1〜
安田 直樹 (文化構想学部1年)
狩り部の活動に参加して、初めて生で、「生き物」が「肉」に変わる瞬間を目の当たりにした。食卓に並ぶ肉が、誰かの手によって奪われた命であることはもちろん知っていた。それにもかかわらずショックを受けた自分に驚いた。また、泣きそうになっていた自分を冷静に客観的に見つめているもう1人の自分が、なぜかはわからないがその時たしかにいた。
まぁ、狩部の活動を詳しく知らないまま、着いていきなり、死んだイノシシがある現場に遭遇したので致し方ないかもしれない。その肉を解体し始める頃にはショックは収まり、「奪った命だからしっかりと処理をして美味しく頂かなければ、イノシシに申し訳ない」と考えていた。普段料理をすることがないので、ナイフを握ったことはもちろん、肉を切ることさえ初めてだったかもしれない。しかし、周りのサポートのおかげで、初めてにしてはなかなか上手くやったのではないだろうか。
いよいよ夕飯の時間になった。もともと僕は、ジビエを目的にこの活動に参加していたのでワクワクしていた。それと同時に、「もしかして肉をみたら、イノシシが死ぬ瞬間を思い出して食べられなくなるのではないか」という一抹の不安を抱いていた。いざ肉を食べてみるとそんな不安は吹っ飛んだ。とても美味しい!獣臭いときいていたが、そんなことは全くない。こんな美味いものを食べ損なっていたとは。また、この時ほど「いただきます」という言葉に重みを感じたことはなかった。「習慣だから食前に言わなくてはいけない言葉」ぐらいに考えていた。それが、「同じ生き物をいただくのだから感謝をしなくてはいけないのは義務である」と考えるようになっていた。
今回の活動だけでもここまで色々勉強できたのだから、さらに続ければ、もっと自分の見聞を広げることができるだろう。これからの狩り部での活動に期待を抱いている。
狩り部のサイト
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