「学生にもできることがある、まだまだボランティアが必要です」西日本豪雨支援ボランティア活動報告 (文学部3年 田村水咲さん)

浸水した家屋の再建工事のための下準備として土壁を剥がす作業
7月に発生した西日本豪雨を受けて、WAVOCを通して3日間と個人であわせて2週間、岡山県倉敷市真備町でボランティアをしました。WAVOC主催の活動は学生が現地に集まり、真備のボランティアセンターから新田サテライトや岡田地区に派遣され土壁壊しやゴミ出しといった力仕事をしました。
また、個人ボランティアを受け入れているNPO団体を探し、8月は真備町服部サテライトから清掃を中心とした力仕事を、9月は真備町最大の避難所だった岡田小学校に入り、避難所運営をする倉敷市や応援県の職員の方の避難所運営補助や生活環境改善のお手伝いをしました。

熱中症対策のためボランティア作業では必ず決められた時間に休憩を取ります(いちばん右が田村さん)
実際に行ったからこそ分かることがある
「メディアを通して見るよりも現地に行くと理解が深まる」というのは使い古された言葉かもしれないですが、他人事として捉えていた現状を目の当たりにし住民とも話すことで本当に大変な状況だということが分かりました。被災から時間が経過するごとに、慣れない避難所生活へのストレスを抱えながらこれからの生活についてより具体的に考えて、行動していかなければならないという大変さ感じました。
支援する側も避難所の住環境を整えたり、支援物資の回し方を考えることはもちろんですが、発災から時間が経つにつれてよりきめ細やかな支援が求められていることが分かりました。他人事として考えると忘れがちですが、住民さんにはもともと個人の欲求に沿った生活があり、「被災」と一言では言えない個別の被災状況があります。「人に寄り添った支援」というものが本当に求められているのだと感じました。
ボランティアが入ったことで血圧が下がったおばあさん、饒舌になったおじいさん
住民さんには高齢者も多く、力仕事や手続きも難しい場合が多いです。また慣れない避難所生活でコンビニのおにぎりを食べ、話す相手も限られているという状況もありました。心配で血圧が上がったり持病が悪化してしまう方、無口になったり怒りっぽくなってしまう方などなど短い滞在中でも沢山の方と関わりました。ボランティアが清掃に入ることで家が片付いた安心感から血圧が下がった方、初めはずっと座って無口だったのに一緒にお話しながら作業を手伝ってくださる方いました。作業はもちろん、住民さんとお話しすることも人に寄り添った支援なのだと思いました。
学生にもできることがある、まだまだボランティアが必要です。
被災から4ヶ月が経ち以前よりメディア掲載が減っていくこと、学生や企業の夏休みなど長期休暇を取りやすい期間が終わってしまったことからボランティア数は減少しています。しかし一方で、これからやっと生活を立て直していくという段階なのでパワーがまだまだ必要だそうです。
東京では運動らしい運動もしない上、無資格無スキルの私ですが支援を行うことができました。交通費と宿泊費の捻出が難しいなと思っていましたが、大学の交通費補助の制度や、現地でも宿泊施設やお風呂をボランティア向けに提供してくださる所などを利用すれば経済的に余裕のない学生でも活動することができます。時間を見つけて1人でも多くの人に実際に足を運んで欲しいなと思いました。