The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

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<ハッピーハニー通信12号>セレンゲティ県からゾウ対策に公的支援がスタート

<ハッピーハニー通信12号>セレンゲティ県からゾウ対策に公的支援がスタート

平山郁夫記念ボランティアセンター准教授 岩井雪乃

WAVOC教員の岩井は、2007年からアフリカゾウによる農作物被害の対策プロジェクトを、タンザニアのセレンゲティ国立公園の周辺の村で実施しています。
実習科目「アフリカゾウとの共生を実践するボランティア」で、学生も活動に参加しています。
最近の対策活動の様子をお伝えします。

ゾウ追い払いグループの青年たちと一緒に(右から3人目が岩井准教授)

  1. 2017年9月にゾウを追い払う爆竹器を寄贈
    ワイヤーフェンスによって、畑にゾウを近づけない対策が、この2年は一定の効果を見せています。
    しかし、単なる1本のワイヤーですので、怖いもの知らずの個体はフェンスを壊して入ってきてしまいます。
    フェンスの効果を維持するためには、ゾウがフェンスに近づいた時に人間が追い払いに行く必要があります。
    フェンスの近くをうろついている時点では、ゾウを簡単に追い払うことができます。追い払いの時にはゾウを脅かすための道具が重要になりますが、ゾウを傷つけることはできません。
    これまでは、懐中電灯の光が有効でしたが、最近はこれもゾウが恐れなくなってしまいました。
    そこで村の青年が開発したのが「爆竹器」です。鉄棒の先の穴に火薬を詰めて、それを爆発させると「ズドーン!」という銃声のような大きな爆音がでる器具です。ミセケ村の追い払いグループの青年たちが、試行錯誤を重ねて開発しました。開発過程では、爆発の際に手をやけどしてしまうことも。体を張っての実験の成果です。9月の岩井の現地訪問では、この爆竹器200個を、被害が発生している20村に配布してきました。

    研修会で爆竹器の使い方を解説する

     

    ただし、この器具を使えば問題解決、という訳ではありません。
    爆竹器は、制作費用が安く、火薬の材料となるマッチがすぐに手に入るのが利点ですが、課題もあります。音が大きくて、使用者の耳を痛めるのです。また、大きな音も、使い続ければゾウは慣れてくるでしょう。今後も改良を続けつつ、新器具の開発も進める必要があります。

  2. セレンゲティ県行政から被害対策への支援
    これまで何もしてくれなかった地元セレンゲティ県行政が、とうとうゾウ害対策に大きな予算を確保しました。13村に300万シリングずつの対策予算を配布したのです。
    日本円にしたら総額200万円ほどの予算規模ですが、それでも現地ではさまざまな対策物資を買うことが可能になり、農民を勇気づける措置です。この予算措置には、なんとわれわれの活動が大きな影響を与えました。
    9月の爆竹器配布の際に、獣害問題を担当する県役人(野生動物官)に同行してもらいました。
    村びとの命がけの追い払い活動を視察してもらい、村びとの切実な声を直接きいてもらう機会をつくるのが目的でした。
    これによって、野生動物官も状況がいかに危機的であるかを理解してくれて、今回の予算措置につながったのです。野生動物官は、ほとんど予算があてがわれていないため、現場に行く車がないのはもちろんのこと、ガソリン代もありません。
    現場に行こうとしたら自腹になってしまいます。そこでわれわれは、県役人に現場に来てもらって、生の状況を知ってもらおうと、9月の活動の際に20村に一緒に行ってもらうよう手配したのでした。
    その成果が、11月には予算措置という具体的な結果となって現れました!
    これは、9月の活動のみならず、過去10年にわたるセレンゲティ・人と動物プロジェクトの積み重ねがあったからこそといえるでしょう。
    行政が積極的に動き出したことで、さらに対策が進展することが期待できます!大きな成果を得て、2017年を終えることができて、たいへんうれしく思っています。

爆竹器の贈呈、中央の岩井准教授の左にいる女性が野生動物官

 

 

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