筒井 久美子 TSUTSUI , Kumiko
早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター講師(任期付)
研究者データベース
人生の転機とWAVOCへの道のり
人生の転機は東日本大震災です。とはいえ、震災で大きな被害を受けたというわけではありません。当時、大学院生だった自分は、とにかく人が苦手、現場を訪れ、活動するなんてコワイ(今もそうですが(笑))。にもかかわらず、震災があって、なぜか「何かしなければ」と思ってしまいました。
しかし、震災直後に勇気を出して参加した災害ボランティア説明会で参加ハードルの高さを思い知り早くも挫折。ちょうどその頃、ある教員から学部の学生とともに復興支援活動を開始するのでサポートしてほしいと声をかけていただき、今度こそ!と勇気を振り絞って活動に参加します。
当初は知らない学生たちと活動するなんて恐ろしい…と思っていたのですが、次第に活動に引き込まれてしまいます。その後、被災した地域を訪れる授業を手伝ってほしい、学内に復興支援に取り組む学生らが集まれる場を作るので手伝ってほしい…などと様々な方から声をかけていただき、いつの間にか10年以上、東日本大震災に伴う活動に関わり続けていたところで、WAVOCと出会いました。今でも、自分はどうしてこんなことになったんだろうか…と不思議に思います。
自分にとってのWAVOCの魅力は?
なんといっても、学生の皆さんと一緒に活動ができることです。また、学生と教員がともに考えたり、悩んだり、ときには他愛もないおしゃべりもしながら、社会をほんの少し居心地がよい場所に変えていくことができる可能性を秘めた場所だと思っています。
授業や活動するうえでのこだわりは?
高校時代までは、それまで分からなかったことが分かるようになる学びをしてきたのではないでしょうか。大学では、それに加えて、それまで分かっていた(と思っていた)ことが分からなくなるような学びもしてほしいと思っています。そこで、自分が身に着けてきた当たり前が揺るがされるような授業や活動を作っていければと思っています。
学生たちに対して思うことやメッセージ
社会と自分との接触面に生じる「もやもや」を、すぐに分かった気にならず、それを適切に表現できる言葉を探しながら、丁寧に問い続ける力をつけてほしいです。
今後、WAVOCで実現したいこと
自分が当たり前に暮らしている生活圏から外に出て、他者と出会ったり、現場に飛び込んだりする経験は、自分が身に着けてきた当たり前が揺るがされる経験になるかもしれません。だからこそ、楽しい!やりたい!という人もいれば、気になるけど勇気が出ないという人もいると思います。楽しい!という皆さんはもちろんですが、ちょっと勇気が出ないという皆さんも一緒に活動できる場を作りたいです。