The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

狩猟で魅せる丹波山村 ~体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」14~

狩猟で魅せる丹波山村 ~体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」14~

清洲 青空(国際教養学部3年)

「狩猟と地域おこし」このフレーズに惹かれてこの授業を履修した。もともと、環境保全や動物福祉などに興味を持っている友達が多い影響もあって、オープン科目を探していたときに目に入ったのが「狩猟」というフレーズだった。私の友達にも狩猟をしている人がいて、その人から狩猟が必要な背景をざっくりと教えてもらったものの、それがどのように地域おこしと直結するのかはわからなかった。そこにとても興味があり、履修することを決めた。

丹波山村の保坂さんは、ジビエを多くの人に食べてもらうために、キッチンカーで各地に出向き、料理を提供している

狩猟の本当の魅力に気づくまでには4ヶ月かかった。この授業は、現地実習が5月と7月に予定されていたが、コロナの影響もあり、実際に現地に行けたのは6月の最終週と7月であった。それまでの期間は、座学で狩猟について学んだり、実際に丹波山村で案内をしてくれる保坂さんから丹波山村の現状などについて教えてもらったりした。しかし、どんなに座学で話を聞いても、狩猟の必要性やジビエ消費の大切さなどは、イメージしづらいところが多かった。

そんな中で臨んだ現地実習。初めは自然の中に行ける嬉しさと、鹿肉を食べられるウキウキ感に支配されていたが、そのような気持ちは、解体所で宙吊りにされた鹿を見てなくなった。鹿が皮を剥がされた姿は、自分の知っている肉ではなく、まだ動物であった。そして、そのお肉を丁寧に解体している姿や、消費者に対して安心してもらうため衛生に気を使う現地の方の思いを、そこでダイレクトに感じることができた。

さらに現地実習2回目には、実際に罠に鹿がかかったとのことで、現地に着くと、すぐ罠まで案内された。そこでは、野生の鹿の生きようとする力と、それに発砲する猟師の姿を間近で見た。銃声は想像を遥かに超える大きさで、また倒れた鹿から流れる血をみて、命をいただくことのありがたさを感じることができた。

狩猟は都会に住んでいる私たちとはかけ離れた存在であり、実際言葉として知ってはいるものの、イメージと現実はとても違うものであった。現地の人の思いや、狩猟によって失われた命を少しでも無駄にならないように工夫する姿は、とても魅力的であった。その一方で、狩猟で地域おこしをする難しさも感じた。ジビエ肉を手に取ったところで、現地の人の思いは伝わりにくく、まだまだ課題が多いことも感じさせられた。

 

≪体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」のこれまでの連載記事はこちらから≫
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2021/10/22/6915/

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