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【学生の声】富良野で、暮らしを見つめてみる旅 ~富良野スタディツアー活動報告~

【学生の声】富良野で、暮らしを見つめてみる旅

文化構想学部4年 西村 凪紗

富良野の土地で過ごした3泊4日は、学生として東京で生活している時間や習慣を客観視させてくれるものであった。我々が普段いかに文明に甘えているか、スマホやPCを見ずに自然や人と向き合う充実感を教えてくれた。

本スタディツアーに参加したきっかけは、富良野塾で倉本聰氏に師事していた脚本家・久松真一氏のお話を伺う機会があったことだった。そこで倉本聰氏の考えに触れ、「富良野での生活とは、一体どのようなものなのだろう」と興味を持ち、実際にその土地で人と出会い、自然の中で過ごしてみたいと思った。学生最後の夏休み。この時間を使って、今しかできない経験をしてみようと、富良野へ向かった。

1日目は自然塾のフィールドを使い、「裸足の道」や「地球の道」をはじめとした環境教育プログラムと、テント設営を行った。中でも特に印象に残っているのが、アイマスクをして丸太や砂利の上を歩く「裸足の道」である。視界が覆われた状態で、鳥や虫の声、ペアの人の手、そして足裏から伝わってくるさまざまな感触を頼りに進んでいく。普段は視覚に頼って生活している自分が、他の感覚を研ぎ澄ませながら自然を感じるという経験はとても新鮮であった。

テントで一晩を過ごし、2日目の朝を迎えると、「表現ワークショップ」が始まった。演劇的な手法を用いながら、コミュニケーションとは何かを考えるプログラムであった。言葉だけでなく、目線や表情、体全体を使って自分の思いを相手に伝えること、そして相手から発せられるものを受け取ることの大切さを実感した。その中でも、生まれて最初に覚えている記憶から高校生までの経験を思い返し、それを皆に話すという経験が印象に残っている。結局、人間は自分のことを聞かれて語るのが好きなのだなと思ったと同時に、話を引き出してくれる聞き手、つまり受信する側がいてこそ会話は成り立つものなのだと気づかされた。聞き手は話し手以上にエネルギーを使うからこそ、自分がどちらの立場に回っても、言葉だけでなく体や目を使いながら、自分も相手も楽しいコミュニケーションを取れるように意識したいと思えたワークショップだった。

午後からは、現地でトマト農園を経営されている早稲田大学の卒業生のもとを訪れ、実際にトマトを収穫させていただいた。その場で収穫したばかりのトマトをビニールハウスの中でいただき、「新鮮な野菜はこんなにもおいしいのか」と感動した。その後、2日目の夜から3日目の朝まで、電気やガス、水道水に頼らない原始的な生活を体験した。これが、今回のプログラムの中でも特に想像以上にハードな経験であった。夕食と朝食を作るためには、マッチでつけた小さな火を薪に移し、それを持続させながら大きくしていく必要があった。しかし、当日は大雨で、何度火をつけてもすぐに消えてしまうことに加え、体力もかなり奪われていた。できるところまで挑戦した末、スタッフの方に片方の火をつけていただき、もう片方は自分たちで火を広げることで、何とかカレーライスとサラダを完成させることができた。電気のない中で片付けまで終えると、疲れもあってその夜はぐっすりと眠った。

3日目の朝も悪天候ではあったが、前日の経験を生かし、自分たちだけで火を起こすことができ、とても嬉しかった。水汲みや調理なども自然と役割分担をし、時間内に朝食と片付けを終えることができた。前日の夜には富良野産のぶどうワインとチーズ、朝にはぶどうジュースや牛乳を味わい、自然の中で富良野の食を存分に楽しんだ。そして迎えた最終日には、初日に参加した「地球の道」の近くへ行き、グループで木の植樹を行った。こうして、さまざまな自然体験と人との出会いを重ねた4日間のプログラムを終えた。

この4日間を振り返ると、自分を鍛える時間として長く感じることもあったが、非常に濃厚で、生を実感できる時間であった。北海道は旅行として訪れることはいつでもできるかもしれない。しかし、同じ大学に通う仲間たちとともに、北海道・富良野の大自然の中で寝泊まりをし、協力しながら生活し、その土地で暮らす人々の話を聞くという経験は、学生である今だからこそできるものだったと思う。また、今回集まった早大生8人のメンバーは、ほとんどが初対面だった。しかし、4日間を共に過ごす中で、誰もがフラットに接し、自然と協力し合うことができた。火を起こす時も、テントを設営する時も、食事を作る時も、一人では難しいことを皆で力を合わせて乗り越えていく楽しさがあった。

今回の富良野での経験を通して、自分が今後、文明の利便性とどのように付き合い、自然や人との時間をどのように大切にしていくべきかを考えることができた。便利なものをただ否定するのではなく、それに頼りすぎず、ときには立ち止まって自分の五感で世界を感じる。そんな時間をこれからも大切にしていきたい。

 

富良野スタディツアー

テレビドラマ『北の国から』(フジテレビ系列)などで著名な作家・倉本聰氏が主宰する「富良野自然塾」と、WAVOCが共同で主催する3泊4日のプログラムです。
富良野の大自然を五感で感じながら環境について学ぶ「環境教育プログラム」、富良野の地に根付く演劇的手法を用いて現地の風土を感じる「表現ワークショップ」、そして電気やガスのない中でエネルギーに頼らない原始的な生活を送る「生活体験プログラム」など、富良野の地ならではのさまざまな体験をします。
また、富良野で活躍する卒業生から、農業やまちづくり、地域交流事業について学びます。

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