【学生の声】最も過酷で最も記憶に残り、最も楽しいプログラム
創造理工学部4年 ニコラス ラウ ジョ シュアン

テントで眠っていた初日の夜、自分の寝ている側に雨が漏れ、全身ずぶ濡れになりました。二日目は冷たく激しい雨の中、何度も火を起こそうとしましたが、ことごとく失敗。みんなで作った水っぽいカレーライスを半分ほど食べたところで突然の暴風雨に見舞われ、テントが倒れないよう全員で必死に柱を押さえ続けました。
これが、今回の富良野スタディツアーです。早稲田大学での4年間、WAVOCは私の大学生活の大きな一部でした。その中でも今回のツアーは間違いなく一番過酷なものでしたが、だからこそ一番記憶に残り、一番楽しいプログラムになりました。一瞬一瞬を心から楽しむことができました。
初日の夜にずぶ濡れになったことで、翌朝は早くに目が覚めました。そのおかげで、森の中を横切っていく二頭のシカの姿を目にすることができ、その光景には思わず息をのみました。また、雨の中で火起こしに失敗したことをきっかけに、私たちはそれまで以上に力を合わせるようになり、翌朝には無事に火を起こすことができました。
これもすべて、今回一緒に参加した素晴らしい仲間のおかげです。一人ひとりのバックグラウンドは大きく異なっていましたが、全員が互いを尊重し、支え合うチームワークを持っていました。一緒に料理をしたり、語り合ったりした時間は本当に楽しかったです。
振り返ってみると、このキャンプの構成には明確な意図があったのだと気づきました。まず電気・ガス・水道に頼らない最低限の生活という最も厳しい環境に身を置き、そこから少しずつ現代の生活へと戻っていく。この流れを経験したことで、今自分が当たり前のように手にしているものの素晴らしさに気づき、改めて深い感謝の気持ちを抱くことができました。この経験はこれからも、自分の日々の選択が環境全体にどのような影響を与えているのかを考えるきっかけになり続けると思います。
もう一つ印象に残っているのは、トマト農園を訪れた際の活動です。記憶だけを頼りに世界地図を描くというもので、みんなの絵を見比べると、それぞれがまったく違う「起点」から描いていたことが分かりました。たとえば、まず自分の国を描き、そこから周辺の国々へと広げていく人もいました。この活動を通して、人はそれぞれ異なる視点で世界を捉えているのだと学びました。しかし今回の仲間も、見ている世界はそれぞれ違っても、嵐の中で一緒にテントを支え、力を合わせることができました。だからこそ私は、愛や正義、団結、平和といったものは、世界共通の価値なのだと信じています。
この文章を書きながら、今回の経験はいつまでも私の心の中で特別な思い出であり続けると確信しています。社会人になれば、新しい人と出会ったり、このような冒険に出たりする機会は限られてくるかもしれません。だからこそ、この経験を忘れずに、常に感謝の気持ちを持って生き、楽しむことを大切にしていきたいと思います。
これから私は、日本で社会人としての新たな一歩を踏み出します。その歩みを支える大切な存在であったWAVOCに、心より感謝申し上げます。

富良野スタディツアー
テレビドラマ『北の国から』(フジテレビ系列)などで著名な作家・倉本聰氏が主宰する「富良野自然塾」と、WAVOCが共同で主催する3泊4日のプログラムです。
富良野の大自然を五感で感じながら環境について学ぶ「環境教育プログラム」、富良野の地に根付く演劇的手法を用いて現地の風土を感じる「表現ワークショップ」、そして電気やガスのない中でエネルギーに頼らない原始的な生活を送る「生活体験プログラム」など、富良野の地ならではのさまざまな体験をします。
また、富良野で活躍する卒業生から、農業やまちづくり、地域交流事業について学びます。




