The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

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「あなたにとってボランティアはどういう体験でしたか?」 WAVOC提供 スポーツボランティア・ワークショップ

期間 2014年9月22日(月)17:00~19:30
実施者 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)
教員:兵藤智佳[email protected]
受講者 学生:体育各部12名

スポーツボランティア・ワークショップとは

体育各部の学生たちは、東日本大震災被災地でのスポーツ交流やスポーツ指導を通して復興支援活動を行っています。

またその活動は、早稲田大学競技スポーツセンターが実践する、学生アスリートが学業と部活動を両立し、社会性と豊かな人間性を兼ね備えた人格形成を目指す「早稲田アスリートプログラム(WAP)」の一環としても位置づけられています。

スポーツボランティアは多くの人々から喜ばれ、感謝されています。しかし、その経験が達成感と満足だけで終わってしまっては、学生の学びへとはなかなか繋がりません。そこで、WAVOCではボランティア活動のあと「体験の言語化」と呼ばれる実践を行っています。学生たちが、その活動を通じて何を感じたか、感じたことの背景にどういう社会の課題があるのかを考え、自分の言葉で表現する取組です。自分自身の経験を深めるだけでなく、自分と社会とのつながりを見出す力になります。

こうした実践を学内に広めていくために、現在、WAVOCは「体験の言語化」科目を提供しています。この科目は、ボランティアにとどまらず、スポーツ、サークル、インターンシップ、留学等の体験をふりかえり、自らの成長につなげる科目です。

今回はWAVOCの兵藤智佳先生が、実際にスポーツボランティアを経験した体育各部の学生たちに「体験の言語化」科目の方法を実際に体験してもらうワークショップを行いました。

野球部、ア式蹴球部、女子バレーボール部、卓球部、柔道部から12名の学生が参加しました。

ワークショップの流れ

1.「ボランティア活動を通して感じたこと」を語る

スポーツボランティアを通して自分が感じたことを参加者が語ります。

  • バレーボールは楽しいと改めて感じた。
  • メディアで流れる回数が減って復興しているのかと思っていたが、現地に行ってみて衝撃を受けた。
  • 子供に逆に元気づけられた。
  • 自分にできることはスポーツを教えること。スポーツを純粋に楽しんでもらえるよう努めた。
  • 昨年参加した子供や親が自分を覚えていてくれて、人のつながりを感じた。少しずつ前に進んでいるなと感じた。

2.参加者が仲良くなる

誕生日順に並び代わり、初対面のペアを組みます。そして「この一年スポーツをやってすごく嬉しくなった瞬間・場面」をお互いに話すという、思い出す作業のエクササイズをします。そしてペアが語った場面について発表します。

3.ボランティア活動の場面をふりかえる。

いよいよボランティア活動の経験を言葉にしていきます。

1)場面と気持ちを思い出す作業

心に引っ掛かった場面、もやもやした感じが残った場面をそれぞれ思い出します。

  • 気仙沼の小学生の大会で、小学校高学年の生徒に「中学でサッカーを続けていくの?」と聞いたとき、「進学する中学にはサッカー部がない」という答えが返ってきて、何も言えないまま会話が終わった。あの時なんて声をかけたらよかったのだろう。いたたまれない気持ちになった。悔しいだろうなと思った。
2)背景分析のワーク

ワークシートをもとにペアにその場面を聞き、それぞれがその場面を語り合います。
その後、自分の場面について、「どうして相手はそんな気持ちになったのだろう?」という視点からワークシートに図式化します。さらには、ペアになってお互いに議論します。

  • 人との交流の中では地震のことを感じられなかった。ある中学生は地震のことを語らなかった。本当につらかったのだろう、もてなしてくれているのだろうと思った。

この気持ちの背景にある多様な背景を図式化していくことで相手を取り囲む人間関係・状況を推測し、深めていきます。

4.ワークショップ前との変化を感じる

ワークショップを終えてみて、最初の発言からの変化を発表します。

  • 最初は自分が感じたことにしか気づけなかった。相手の気持ち、何のためのボランティアかわかるような気がした。相手の気持ちがわかりにくいと言ったが、相手の気持ちを考え自分の考えとかみ合わせていくことが重要と感じた。
  • なぜ、そう思ったのかを背景から解体してやっていくとわかりやすいと思った。
  • 自分の体験が最初にあったが、人の行動に何かが隠されていたと考えることでボランティアの意味がつよくなった。

参加した学生たちは、体験を言語化していく中で、自分が感じたことから始まり、相手がどうしてそう言ったか、そう発言した相手の背景・取り巻く環境はどうか、というように思いを巡らせていきました。こうしたプロセスを通じて、「スポーツでボランティア活動してよかった」、「またしたい」というようなただの感想しか持っていなかった学生たちが、いままで気づけていなかった出来事の意味や、背景に社会の課題を見つけることができました。

学生たちの多様な経験をただの一事例の理解や感動で終わらず、これからの学びと活動につなげる試み、これこそが WAVOC の「体験の言語化」科目です。

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