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開催報告:フランス銀行総裁 特別講演会「欧州と日本: 極めて不確実な世界における共通の強みと課題」

2022年11月15日、SGU実証政治経済学拠点は政治経済学術院と共催でフランス銀行フランソワ・ビルロワドガロー総裁をお迎えし、「欧州と日本:極めて不確実な世界における共通の強みと課題」と題する講演会を開催しました。講演会でビルロワドガロ―総裁は、パンデミック、グローバル・サプライチェーンの分断、ロシアのウクライナ侵略といった相続く外的ショックが不確実性を高めている中で、欧州と日本がインフレの加速、交易条件の悪化などの問題に直面して、それぞれの経済状況に応じた金融・経済政策を展開していることを指摘し、その上で、さらに共通する構造的な課題へいかに対応すべきかについて語りました。

冒頭の挨拶で、田中愛治総長は、「早稲田大学が、国際交流面で、フランス共和国を最重要のパートナーと位置づけて、現在はフランスの58にのぼる高等教育機関と学術交流を進めている」と説明し、「グローバル経済を取り巻く環境が複雑化し、基本的な課題の解決が容易ではなくなっている」ことから、将来のグローバル化した社会を担う学生にとって、共通の課題にいかに取り組むべき行動について有益な示唆を与える講演となるとコメントしました。

 

写真左端 司会:政治経済学術院 鎮目教授

ビルロワドガロー 総裁は、日本と欧州が直面する構造的な問題として、潜在成長率の停滞、労働供給の不足、気候変動に対応するための移行(climate transition)、政府及び民間セクターにおける債務の増大を挙げました。これらの困難な課題へ対応するうえで、欧州と日本が有する共通の強みとして、日本の童話「桃太郎」を引用しながら、①長い歴史と文化に根差した長期的な視野(キジ)、②インフラや公共サービスの整った社会進歩(イヌ)、③人権、法と秩序、民主主義という普遍的価値に立って多角的な論議の推進役であること(サル)を強調しました。

壇上より多くの聴衆に語り掛けるビルロワドガロー 総裁

さらに、欧州が日本から参考にすべき点として、日本文化(マンガ、簡素と洗練さ)や不幸な福島事故後のエネルギ―対応努力、ロボット化などのイノベーションを挙げました。また、欧州の強靭さが過少評価されているとして、通貨ユーロの成功、広大な単一市場の実現、気候変動や暗号資産等の対応における迅速な意思決定をあげて、欧州が国際間協力の第一のモデルである点を強調しました。

学生の質問に対して真摯に答えるビルロワドガロー総裁

質問を投げかける学生

最後に、ビルロワドガロ―総裁は、夏目漱石の「こころ」から「言葉が空気に波動を伝えるばかりでなく、もっと強い物にもっと強く働き掛ける事ができる」を引用して、講演を締めくくりました。
本講演会は、大隈記念講堂小講堂が満員となる約200名を超える多くの聴衆を集め、講演後のQ&Aセッションでは活発な議論が行われました。

 

早稲田大学大隈記念講堂小講堂にて開催

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