2017年5月8日と9日の二日間にわたり、早稲田大学SGU実証政治経済学拠点は、香港中文大学ビジネススクールより、企業戦略や国際経営の分野で優れた業績を持つ牧野成史氏をお招きし、博士課程の学生を対象としたorganizational learningとsociological foundationsについてのPhDセミナーを開催しました。
両日とも各分野の古典的な論文のSummaryを博士課程の学生が一本ずつ担当し、その内容や学生が感じた疑問点を中心に、本学の教員や博士課程の学生だけでなく、他大学の学生や教員も参加し活発な議論が行われました。
初日は探索と活用、コンピテンシー・トラップ、吸収能力、暗黙知など組織学習に関わる理論を、2日目は埋め込み、同型化、選択と適応、弱い紐帯の強さなど、社会学に関わる理論について議論しました。いずれも経営学領域の学生なら誰もが一度は耳にしたことがあるような理論ではあります。しかし、「では埋め込みとは端的に何か」と聞かれると、誰もが説明するのに四苦八苦しました。こうした普段、なにげなくわかってつもりでいる言葉を改めて簡潔な言葉にかみ砕いて説明することで、理論に対する深い理解を得られる興味深い内容でした。参加した博士課程の学生の一人は「いわゆる古典と呼ばれるような古い論文を改めてきちんと読み議論を交わす中で、新たな発見や知見を得られ非常に有意義であった」と話していました。