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News through 2023

2023年度までのニュース

派遣学生の体験レポート2023(ボン大学④)

Joint Supervision Programの協定締結大学でもあるボン大学との連携プログラムとして、ボン大学のAndreas Schlitzer教授の研究室で指導を受けた藤枝 咲帆さん(修士課程1年)の体験談をご紹介します。

滞在先

ボン大学(ドイツ)

滞在期間

2024年2月5日~2024年3月13日

滞在先の印象・日本との違い

滞在先の研究室に関して言えば、多様な背景を持つメンバーがその違いを超えて、楽し気に話している姿をよく見かけたことが一番印象的でした。私がお世話になったSchlitzerラボはドイツ人メンバーが多かったのですが、フランスや中国などから来ている人もいる国際的なラボでした。そのため、ラボ内でドイツ語が飛び交うことはありましたが、ドイツ語に偏ることはありませんでした。例えばある日のランチで、ドイツ人メンバー同士がドイツ語で話していた時、後からドイツ語が話せないメンバーが部屋に入って来ました。すると彼らは瞬時に英語に切り替えて話し始めたので、ドイツ語が話せないメンバーもすぐに話に合流しランチタイムを楽しんでいました。また、自分の名前が出ているのにどんな話をしているのか分からないという状況や孤立感を抱かせないような言語的配慮もありました。ドイツ語が話せないメンバーが直接話に入らない場合でも、その人の名前が出る時や関連する話題の場合はあえて英語で話している様子も見かけました。このような配慮とネイティブ並みの英語能力は、国籍や言語、背景の違いという隔たりをこえて協力するのに大きな役割を果たしていると感じました。
研究室のみならず、ドイツにいる人は全体的にコミュニケーションを取ることに関してとても積極的に見えました。電車内で初対面の人に話しかけられることも少なくありません。移民も多くより多国籍なドイツは、日本と比べて開放的なように感じました。また、自然や文化に対する意識も高いように見えました。ボンの街には多くの木や花が植えられていて、住民も古い街並みと自然の調和を大切にしていました。カーニバルでもお花や種を配っていましたし、お花屋さんもいたるところで見かけました。クラシック音楽、バレエ、オペラ、絵画などのアートも盛んで、週末に劇場や美術館に行くことも多いようでした。私も何度かコンサートに足を運びましたが、幼い子供が家族と一緒に来ていて、質の高い文化が幼少のころから身近にあることを羨ましく思いました。

滞在先での体験談

ドイツの研究室は研究活動と同じくらい休日をしっかり取ることも大事にしていました。想像以上にアウトドアな方が多く、彼らは週末にハイキングをしたり、どこかに出かけたり、休日を積極的に楽しんでいました。私もお休みの日には、陸路(電車)を利用して色々な場所に出かけることができました。
同じドイツ国内でも東と西で街並みの様子には違いがあり、西の街には可愛らしい色合いの家が並び、東の街は赤いレンガ造りの家が並んでいました。どの街にも美しい教会があり、信仰の歴史を垣間見ました。地方にいる諸侯の力が強かったという歴史的背景から、街ごとに特色のある文化(建物、食べ物、芸術、歴史など)があり、どんな街を訪れても毎回新鮮な経験をし、見聞を広げることができました。
一方で日本ではあまりしない苦労もありました。ドイツでは近年の近隣諸国の情勢の影響を受けて物価の高騰が著しく、頻繁に大規模なストライキが行われていました。ドイツ鉄道もよくストライキをしていたので急に電車が使えない、旅先で大規模な遅延に見舞われる、行き先が突然変更されるなど大きな混乱に見舞われました。鉄道の遅延は“よくあること”として捉えられていて、30分遅れくらいだったら「そのくらいで済んで良かったね」と言われる始末。ストライキは2日前くらいに事前に告知してくれるそうですが、影響の大きさを考えると正直もっと早くに教えてほしいと思いました。ただ、ストライキの影響を受けて実験に支障がでたラボメンバーに、こんなにストライキがあると大変ではない?と聞くと「他人に迷惑をかけなければ物事は変えられないからね」と言われたのは印象的でした。労働者の権利を主張することに対する、ドイツ全体の意識の高さを感じられました。

滞在中に取組んだ内容とその成果

滞在した研究室では、普段やらない内容の研究をしていたので、新しい技術を習得できたことが一番の成果です。ちょうど自身の研究で取り入れたいと思っていた技術だったので、今後の実験に組み入れたいと考えています。

滞在して良かったと思う点・今後に活かせると思う点

自分の英語能力がどの程度なのか把握できたのは良かったと思います。海外にこれほど長く滞在したことがなかったので、今までこれほど必要にかられて英語を使う機会がありませんでした。意外とコミュニケーションを取れたなと思うこともありましたが、自身の英語能力が原因で悔しい思いをしたことも多くありました。日本に帰った後もコミュニケーションツールとしての“使える英語”を磨いていく必要性を強く感じました。
また、ドイツで出会った人々のキャリアは非常に多様性に富んでいました。日本では多くの人が同じキャリアを辿って就職していきます。私は知らず知らずの内に常識的であることを自分に求め、自分を制限していることに気が付きました。ドイツで多くの人に出会い、自分の中にある常識を疑うことで、自分がやりたいことをやるのならもっと自由なキャリアを描いても良いのかもしれないと考えを変えられました。

最後に

ボン大学への留学にあたり支援をしてくださった、すべての方に感謝申し上げます。
研究生活に関して私を支えてくださり、いつもフレンドリーに接してくださいました、Schlitzer先生、Stefanieさん、Paulさん、MarieさんをはじめとしたSchlitzerラボの方々。研究に集中できる環境を整え、私達の生活についてとても気を配ってくださいましたSilviaさん。そして早稲田大学の先生方をはじめとした、日本でご支援してくださった方々。皆さまのお力なくして、ドイツでの生活がこんなにも楽しく充実したものとなることはありませんでした。
この場をお借りして深く感謝申し上げます。今回の経験を糧にして、今後も努めて参ります。

研究の様子(Schlitzerラボの方と)

 

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