早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業 実証政治経済学拠点では、2023年10月19日シンガポール国立大学のジョナサン・チュウ教授をお招きして、「Collective Punishment of the Other: Groupness and Public Backlash against Foreign Nationals during International Competition」および「Democracy: What do the people think?」という内容で特別セミナーを実施いたしました。
前者はいわゆる内集団・外集団をめぐる社会心理的によく論じられる要素を国際政治学にとりいれた実験研究であり、後者は民主主義をどのように各国の市民が考え、理解し、そして何を欠くべきではないととらえているかを論じる研究で、特に調査が始まった後者の内容に重点を置いて報告が行われました。2023年中にオンラインで得られたアメリカと日本のデータでは、前者では民主主義の中でも「自由」が重視されるのに対して、後者では選挙がきわめて大事だと理解され、文化ないし政治制度もしくは過去の歴史的背景で民主主義に不可欠なモノが変わっていくことが見出されました。今後、インドやタイといった国での調査が企画されており、フロアからは調査における項目の改善のアイディアが出るなど、活発な議論がなされました。参加者にとっては今後の各位の研究に大いに役立つ情報と知識をいただく機会となりました。
ジョナサン・チュウ教授と特別セミナーの様子