早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業実証政治経済学拠点では、2023年8月24日(木)に、山本鉄平先生(マサチューセッツ工科大学政治学部教授)をお招きし、公開シンポジウム「政治学方法論教育を考える」を開催しました。
山本先生は、政治学方法論の分野で数々の重要な貢献をされるなど、国際的に卓越した業績をお持ちです。今回の招聘は、国際的に優れた業績を持ち指導的立場にある研究者を早稲田大学へ招聘し、教育研究活動の発展を目指す「アカデミックリーダー招聘プログラム」によるものです。
早稲田大学に滞在期間中、山本先生には因果推論についての集中講義をしていただくとともに、一般公開シンポジウムでは、「政治学方法論を考える」というタイトルで山本教授がキーノート講演を行い、学習院大学の福元健太郎教授とミシガン大学の白糸裕輝助教授にパネリストとして登壇していただきました。
参加者は70名を超え、文字通り満員御礼且つ大変盛況なイベントとなり、これからの政治学方法教育の在り方を、参加者からの質問やコメントを交え、多面的に議論する場となりました。

(多湖教授、福元教授、山本教授、白糸助教授)
山本教授から、データの民主化(Data Democratization)時代のデータサイエンスにおける圧倒的多数のデータは社会をめぐるデータであり、そこには社会科学のトレーニングを受け、データを活用してサイエンスできる人材こそが求められ、その教育に体系的に従事できるのが政治学方法論(ポリティカル・メソドロジスト)だという位置づけの説明がなされました。これを踏まえ、①問題の例示・提示と問題の背景を理論的に説明する社会科学の段階、②解決手法を紹介して理論的に解説する統計・機械学習の段階、③手法を実装し使うコーディング・テクニックの段階を一連の流れで教育する重要性が示されました。