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News through 2023

2023年度までのニュース

参加レポート:QTEM2023年春学期 ティルブルフ大学(オランダ)

SGU実証政治経済学拠点では海外留学を志す政治経済学分野の大学院学生に対して渡航支援を行っています。2023年の春学期にオランダのティルブルフ(Tilburg)大学で学んだ学生より留学報告レポートが届きましたのでご紹介します。この学生は、2022年度秋学期にもオランダへ交換留学生として渡航していました。

2022年度秋学期アムステルダム大学への交換留学レポート記事は、こちらです。

 

経済学研究科修士課程2年 藤岡 孝輔

ティルブルフ大学(Tilburg University)

修士課程では実験経済学や行動ゲーム理論を中心とした研究に勤しんでおります。2023年の春学期にQTEMプログラムの一環としてオランダのTilburg大学に交換留学をしてきましたので、具体的な活動内容を報告させていただきます。

ティルブルフ大学の校舎

 

QTEMプログラムは実証分析の学習に特化したプログラムであり、今回留学したTilburg大学をはじめ、経済学に秀でた数々の協定校の授業に参加できることが魅力の一つです。私は2022の秋学期にも同様にオランダのアムステルダム大学(UvA)に交換留学をしており、早稲田には戻らずに連続してTilburg大学での留学に臨むという少しイレギュラーな選択をしていました。両大学院での学期が若干重なっていた関係で留学してすぐは学業面においていささか忙しかったですが、生活面においては秋学期の経験もあり、それほどは苦労せずに済みました。
以下が現地で実際に受講したコースです。

受講コース

Data Science Methods
計量経済学、統計学、機械学習の横断領域におけるデータ分析手法を学びました。授業の最後に扱ったDouble Machine Learningと呼ばれる推定手法が難解でしたが興味深く感じました。


Time Series and their Applications
時系列データを用いた計量分析手法について学びました。講義前半ではARMAモデルを中心的に扱い、講義後半ではVARやカルマンフィルターなどの発展的な分野を扱いました。毎週二人一組でのグループ課題が課されており、この授業に限らず、Tilburg大学では常に周りの学生と協力しながら学ぶ機会を大学側が率先して提供しているように思います。


・Dynamic Economic Models
経済分野における動的計画法(Dynammic Programming)を扱う授業でした。受講人数が5人と学生数の多いオランダの大学院の授業としては極端に少なかったのですが、その分受講生とは学期を通じて親睦を深めることができました。課題ではMATLABを使い、動的計画法の理論だけでなく推定手法やシミュレーションについても学びました。授業内容を完璧に理解することは到底できなかったものの、学ぶことの多い授業でした。


・Seminar Data Science for Economics
近年のビッグデータを用いた実証分析手法を実践的に学びました。一般的な機械学習に限らずテンソルや深層学習を用いた手法等も扱っており、また、授業資料はPythonで書かれ、課題はGit Hub上で提出、といった具合にとても先端的な授業スタイルでした。しかし、その一方で今時の分析手法と既存の使い古された計量分析手法との対比ないしは両者の間に存在するストーリーも講義では詳しく説明されており、実証分析の難しさと奥深さを知ることができました。

Data Science Methodsでは課題としてフランス政府がロックダウンを実行した際の地域ごとの外出状況の分析に取り組みました。

 

オランダの大学では経済学と計量経済学が専攻として明確に区別されており、私は主に後者の授業を受講していたのですが、周りの学生が数学の面で秀でていたことから学期中は彼らのレベルについていくのに必死でした。しかし、彼らがより優れていたのは、学びに対する能動性や安息の時間をおざなりにしない視野の広い自己管理能力だと思います。いずれの学生も積極性が高く、授業の中で生じた疑問は即座に質問し、その授業内で消化してやるという気概を感じました。他方で、研究や学業以外での身近な人と過ごす時間や落ち着いてゆっくりと内省するような時間も同じように大切にしており、とても自律できているように感じました。

 

春の花畑

春先のオランダはとても心地よく、授業が忙しい中でもリラックスできる環境でした。少し時間が空いた際にはオランダ国内を巡り、充実した時間を過ごすことができました。

現在は既に帰国しおよそ1年ぶりの日本での生活を満喫しておりますが、改めて日本とオランダの生活様式の違いに日々気付かされています。今回の留学を通じて現地の学生と共に数々の興味深いコースを受講したことで、自分が学びたいことを一生懸命に学ぶことの素晴らしさを改めて知ることができました。この経験は、将来直面するであろう複雑で難しい事柄に対しても、怯むことなく実直に向き合うための胆力としてこれからも存分に生かされると思います。

最後に、留学中もリモートという形で修士論文の執筆に力添えくださった論文指導教授の上條良夫先生、並びに、留学生活を最大限に支援してくださったSGU実証政治学拠点および早稲田大学の皆様にこの場を借りて心より御礼申し上げます。いつか私自身もまた、誰かにとっての実りある経験機会を後押しできるように今後も精進してまいります。

 

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