実証政治経済学拠点では、Junior Maih 教授(ノルウェー中央銀行、ノルウェービジネススクール)を基調講演者としてお招きし、7月22日にマクロ経済モデルのシミュレーションに関する特別ワークショップを開催いたしました。本ワークショップはマクロ経済モデリングの実践的なワークショップで、Maih教授が開発したRISEツールボックスを使用した研究論文の発表と討議が行われ、Maih教授には、”Efficient Solution and Estimation of Rare Disaster Models in a Regime-Switching DSGE framework “ と題し基調講演を行っていただきました。
1st RISE Workshopは、RISE toolboxを使用したVARモデル、ベイズ推定および動学的一般均衡モデルをテーマとしました。中でもRISEが得意とするレジームスイッチングをテーマとした報告が多く、ゼロ金利制約、または借入制約などをレジームスイッチングの問題として捉え、その様々な興味深い応用や展開が見られました。
ワークショップの最後には、RISEの開発者であるMaih教授によって基調講演が行われました。資本と生産性に多大な影響を与える「稀だが壊滅的なショック(Rare disaster)」を導入した動学的一般均衡モデルについて、アメリカのデータを用いた推計についての報告でした。いわゆる不確実性が高まった今後の世界を理解する上でも興味深い内容でした。
本学や他大学の学生も多数参加し、活発な議論と意見交換があり、大学院生にとっては今後の各位の研究に大いに役立つ情報と知識をいただく機会となりました。

Junior Maih教授と参加者の皆さん