健康スポーツ科学拠点では、10月28日、訪問教員としてお迎えしたドイツ体育大学ケルンのキースティン・ホールマン先生(Associate Professor PD Dr. Kirstin Hallmann)によるミニ・ワークショップを開催しました。このミニ・ワークショップは東伏見キャンパス(対面)とオンライン(リアルタイム)のハイブリッド形式で行われました。東伏見キャンパスの教室には学生を中心に15人、オンラインでは4人の参加がありました。
まず、本学術院の講師・山下玲先生からホールマン先生の紹介があり、続いてレクチャーが始まりました。
「Experiences, their dimensions and interrelationship with places and spaces in destinations」と題したこのワークショップでは、スライドを用いて、ホールマン先生が最近取り組んでいる研究内容についての紹介がありました。
居住空間や旅行先で提供される空間や場所によってどのように体験が促進されるかを調査し、先生自身が直接、旅をしているランナーや登山家にインタビューした経験も含め、今回の発表内容が生まれました。
参加した学生より、感想のコメントを寄せていただきました。
「現在、スポーツツーリズム領域の博士論文を執筆する中で、ホールマン先生の先行研究を多く参考にさせて頂いております。今回のミニワークショップは、私の研究テーマとなる「観光地競争力(Destination Competitiveness)」の研究領域において大変著名な研究者であるホールマン先生ご本人から、直接、最新の研究内容や今後のスポーツツーリズム研究の方向性などをお聞きできるという、またとない貴重な機会となりました。
プレゼンテーションの中で、最近のホールマン先生の研究対象が「観光目的地における観光地競争力の決定要因」や「事業者視点での観光振興の在り方」から、「経験を通した場所や空間への意味付け」や「参加者による場・空間を通した経験の共創」に変化・拡大していることをご教示頂き、本領域の研究進展を間近に感じました。
質疑応答では、研究焦点の変化や研究領域を拡げた理由について質問をいたしました。回答として、学術的な進展、論究とともに社会的な要請もあったとのことで、それらに対応していくことが結果的に研究範囲の拡大につながったとのご回答を頂きました。
研究的関心の発展だけでなく、社会的な貢献への対応力も研究者として重要であるとのアドバイスを頂きました。私の博論執筆におきましても、章立ての修正や理論援用の方法、結論に向けた論考の進め方などに有益となる情報を多く得ることが出来たと思います。在学中にこのような大変貴重な機会を与えて頂き本当にありがとうございました。」(博士後期課程 小松雅樹)
先生は学生たちから寄せられた質問に丁寧に答え、時に研究者としての心得にも触れるなど、参加した学生たちにとって貴重な学びの場となりました。