スーパーグローバル大学創成支援・実証政治経済学拠点では、本学が掲げるVision150の目標でもあり、SGU事業においても推進される「グローバルリーダーの育成」の一環として、教育効果の高い学生の海外渡航を支援しています。
コロナ禍で海外留学が制限された2年間を経て、この春からQTEMプログラムに参加する経済学研究科の修士学生をバルセロナに派遣することができました。
3月に日本を出発した中川さんの現地レポートが届きましたので、皆さまに公開します。
中川楓星 経済学研究科修士2年
UPF Barcelona School of Management
私は現在経済学研究科の修士課程で研究をしています。私自身、数理的・理論的なものに興味を持ち勉強してきましたので、QTEMのコンセプトであるQuantitative techniqueの獲得は新しいことにチャレンジする良い機会となりました。留学先にはバルセロナのビジネススクールを選びました。これは経済学の分野で世界的にランキングが高いことや,地中海に面した温暖な気候が決め手でした。
今考えると提供する授業の種類などをしっかりと確認してから選ぶべきだったと思います。QTEMの提携校はヨーロッパを中心にたくさんありますが、学校によって授業内容が全く異なるのでよく調べると良いと思います.

大学主催のサッカー大会に出場
本来1月からの渡航を希望していましたが、ビザの取得が間に合わず4月からのセメスターから入学することになりました。これから留学を志される方は私の失敗を他山の石として早めに準備をすることをおすすめします。しかし、結果的にこの頃にはスペインのコロナ情勢は落ち着いており、特に制限なく入国することができました。
留学先はビジネススクールのため、授業の内容はビジネス向けのデータ分析が中心です。実務で使えるようになることがメインですので、理論の好きな私は正直少し物足りなく感じました。
留学中は同じQTEMで来ている学生と仲良くしていました。彼らは、イタリア、ドイツ、オランダ、そしてベルギーから来ており、全員(私以外)とても優秀でした。授業中に発言するのはほとんど彼らであり,理解度も他の学生より明らかに抜きん出ています。このQTEM友達とは学校以外でも一緒に行動しており、英語以外を話せない私は様々な場面で助けられることになりました。彼らはスペイン語の学習にも意欲的で、タンデムという言語を教え合うパートナーを作り練習していました。レストランの予約や注文は彼らに任せっきりで、私が財布を盗まれたときなどは警察署で通訳までしてくれました。このような友達とビーチで寝そべりながら研究のことや将来のことを話すのは大変刺激になりました。今、我々の一番の関心事は就職です。彼らはEU圏内ならどこでも働けるので、どの国でどの仕事をするのが良いのかをよく話していました。ユーロ圏においても賃金の格差は非常に大きい上、物価や税制も全く異なります。そのため、最適な就職先を見つけるのはやはり難しそうに見えました。

留学先の家で日本のカレーを振る舞った時
中川さんにはこの留学を通して得た知識のみならず、優秀な友人たちとのネットワークや貴重な経験を活かして、今後もグローバルに活躍できる人材として早稲田に戻ってきてくれることを期待しています。