2020年11月2日~2020年11月10日, 社会科学研究科博士課程2年の永井 陽右さんがスーパーグローバル大学創成支援事業による支援を受け、Swiss Peace FoundationとUniversity of Baselが協働で開催するオンラインプログラムに参加しました。
以下は永井さんによるレポートです。
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Swiss Peace Foundationは1988年に紛争解決と平和構築の専門家たちにより設立された紛争解決と平和構築に関する総合機関です。分析や実務的な提言、実務者へのトレーニングなどに長け、これまで国連やEUを含む多くの機関と専門家たちへ貢献してきました。
近年では、University of Baselと協働で、様々な高度な実務的トレーニングを展開しており、必要なクレジットを修得すれば修士号レベルの学位も授与されます。いつもはUniversity of Baselで開催されていますが、今回はコロナ禍ということで初めてオンラインでの開催となりました。
Swiss Peace Foundationウェブサイトはこちら
氏名:永井 陽右
所属:社会科学研究科 博士課程2年
受講プログラム:Strategic Dialogues in Peace Processes
初めまして、社会科学研究科博士課程2年の永井陽右と申します。社会人の実務者でもあり、NPO法人アクセプト・インターナショナルの代表理事および国連人間居住計画の暴力的過激主義メンターとして、ソマリアなどの紛争地にて暴力的過激主義組織の投降兵および逮捕者の脱過激化や若者の過激化防止などに携わっています。この度は、2020年11月2日~11月10日にかけて、オンラインでStrategic Dialogues in Peace Processesに参加しました。
志望動機
Swiss Peace FoundationとUniversity of Baselが協働で開講するStrategic Dialogues in Peace Processesは、紛争解決や平和構築の実務者を対象とする和平プロセスにおける戦略的対話を学ぶプログラムです。私の博士論文本研究は、今現在問題となっている現実の課題に対して、極めて現実的且つ実務的な解決策を検討するものです。和平合意を結ぶことができない複雑な紛争において、紛争解決と平和構築に繋がる戦略的対話を理論と実務の両面から学ぶことで、本研究で行う考察とその果てに提示する具体的解決案に大きく貢献ができると考え参加を決めました。
プログラムの紹介
和平プロセスにおける戦略的対話に関して、理論を学び実践も体験するインタラクティブなプログラムです。教師陣は同分野のエキスパートであるうえ、参加者も実務者たちで構成され非常に質の高いプログラムとなっています。プログラムは理論パートですらとにかくインタラクティブであり、教師陣や同じ実務者たちである参加者たちとロールプレイングや議論を適宜交えつつ進んでいきました。ケーススタディではコロンビアの和平プロセスとイエメンの国民対話などを扱い、皆で深く分析・考察していきました。
後進へのアドバイス
これまで数多く、海外の大学や機関の研修などに参加してきましたが、ここまで専門性が高く、教師陣が名だたるエキスパートである研修は初めてでした。参加者である自分も実務者としての経験や蓄積がある必要はありますし、研修も非常にタフですが、理論と実践をしっかりと学ぶことができるプログラムが充実しているので、興味がある方が是非ウェブサイトを見てみるといいと思います。
最後に、この場をお借りして、ご支援をいただいたグローバルアジア研究拠点に感謝申し上げます。本プログラムで学んだことを博士論文研究をはじめ今後の研究と紛争地での実務に活かして参ります。