Waseda Goes Global: A Plan to Build a Worldwide Academic Network That Is Open, Dynamic and Diverseスーパーグローバル大学創成支援「Waseda Ocean構想」

News through 2023

2023年度までのニュース

開催報告:国際シンポジウム「 Conference on Financial and Economic Developments: New Challenges and Policy Solutions 」

スーパーグローバル大学創成支援事業 実証政治経済学拠点は、オックスフォード大学、経済政策研究センター(CEPR)、日本銀行、イングランド銀行、本学政治経済学術院との共催で、3月12日(火)・13日(水)の2日間に渡り、国際シンポジウム「Financial and Economic Developments: New Challenges and Policy Solutions」を開催いたしました。本シンポジウムは、早稲田大学国際シンポジウム等開催助成プログラムの支援を受け、  70名を越える参加者のもと活発な議論が交わされました。

当日のプログラムはこちら

3月12日は、日本銀行の須藤直研究員の開催の辞に引き続き、午前の部においては、以下3本の論文についての報告と討論が行われました。まず、法政大学の片桐満教授より、日本銀行の行ったETF購入についての効果を、直接に株価を押し上げるチャンネルと、間接的に株貸付市場から得られる効果についての実証研究についての報告がありました(討論は東京大学の服部孝洋准教授)。次に、慶應大学の小林慶一郎教授は、資産価格の下落により引き起こされる過剰債務によって、経済全体へと波及する負の外部性についての理論モデルを報告されました(討論は上智大学のマチアス・シーゲル准教授)。続いて、英国銀行のフィリップ・シュナティンガー研究員は、市場の緩和度合が、ゾンビ企業に与える影響が非線形であることを指摘し、それが日本のデータについて妥当であるという実証研究結果を報告されました(討論はニューヨーク大学のシモーネ・レンズ准教授)。また、午前の部の座長はオックスフォード大学のフランセスコ・ザネッティ准教授に務めていただき、討論者以外の参加者とも活発な質疑応答がなされました。

ランチ休憩を挟んだ午後の部においては、大阪大学の敦賀貴之教授が座長を務められ、以下4本の論文が報告されました。まず、ニューヨーク大学のシモーネ・レンズ准教授は、ゾンビ企業がもたらす資源の非効率的な利用が、経済全体を長期的な不況に陥れることを理論モデルによって示し、最適な債務免除政策について議論しました(討論は本学の濵野正樹教授)。次に、サンフランシスコ連邦銀行のティー・ラン・ニューヤン研究員は、ブラジルにおける家計レベルのマイクロデータを用いて、所得移転政策の効果についての実証結果を報告し、ニューケインジアンモデルとの整合性について議論しました(討論は東京大学のハンベック・リー准教授)。続いて、本学の宮川大介教授は、日本のマイクロデータを用いて、サプライチェーン・ネットワークの在り方が、銀行の貸出行動にどのような影響を与えるかについての実証研究について報告しました(討論は東京大学の川窪悦章准教授)。

最後に本学、現代政治経済研究所のワンケアー・コンポップ研究員(政治経済学科博士課程在籍)は、財市場における摩擦が、財の参入・退出を通じてどのようにインフレの動学に影響を与えるかについて、理論モデルを提示し、英国データに基づいたその推定結果を報告しました(討論は慶應大学の寺西勇生教授)。

その後続いたレセプションでは、本学の内藤巧教授(政治経済学術院教授、実証政治経済学拠点リーダー)より、レセプションのオープニングをいただき、報告者、そしてそれぞれの論文の討論者、また参加者を交えて活発な意見交換がなされました。

2日目は、メルボルン大学のブルース・プレストン教授と元日本銀行総裁の黒田東彦教授による基調講演が行われました。プレストン教授は、金融政策、特にゼロ金利下でのフォーワードガイダンスと呼ばれる政策が、限定合理性のもとでは、完全合理性の仮定のもとは、まったく異なる影響を持ちうることを理論モデルによって示す最新の研究について報告されました。引き続いて行われた元日本銀行総裁の黒田教授の講演においては、環境、AI、人口動態、世界経済の分断について、長期的な視点からお話をいただきました。いずれも日本や世界が直面する重要な問題であり、会場の参加者からも盛んに質問が出されました。2日目の座長は、前日本銀行副総裁である本学の若田部昌澄教授が務めました。閉会の辞は日本銀行の貝塚正彰理事よりいただきました。

両日とも、大学院生や学部生も多数参加し、大変盛況な国際色豊かなイベントとなりました。本学国際シンポジウム等開催助成プログラムの支援により、またスタッフ一同の運営により大変充実した国際シンポジウムを開催することができました。シンポジウムの企画・運営をお手伝いただいた実証政治経済学拠点事務局をはじめ多くのスタッフの皆様に心より御礼を申し上げます。

 

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/sgu/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる