2022年10月12日(水)、早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)・健康スポーツ科学拠点は英国のラフバラ大学と国際シンポジウム「Contemporary Issues in Exercise Science: from Sports Performance to Disease Prevention」を共同で開催しました。
ラフバラ大学は、QS大学世界ランキングにおいて、6年連続スポーツ関連分野において1位にランクされており、世界で注目されている研究者が多く在籍しています。本拠点では同大学から、2022年4月よりデイビッド・ステンシル先生(Professor David Stensel)をJA(Joint Appointment)教員としてお迎えし、スポーツ科学研究科の集中講義を担当していただきました。今回のシンポジウムは、デイビッド・ステンシル先生と宮下政司教授がコーディネーターとなり、企画されました。
シンポジウムでは、レティ・ビショップ先生(Professor Lettie Bishop)をはじめ、ニコラ・ペイン講師(Dr. Nicola Paine)やアリス・タッカレイ研究員(Dr. Alice Thackray)をゲストスピーカーとしてお迎えし、早稲田大学からも呼応する分野で3名の教員が発表しました。会場とZoomによるオンラインのハイブリッド方式で実施し、イギリス、オーストラリア、シンガポール、タイ、中国などから、およそ200名が参加しました。
シンポジウムではまず、本拠点リーダー正木宏明教授より開会の辞が述べられ、宮下政司教授がファシリテーターを務められました。
開会の辞:正木宏明教授(左)、ファシリテーター:宮下政司教授(中央)、閉会の辞:松岡宏高教授(右)
それぞれのゲストスピーカーの発表内容は以下のとおりです。
- レティ・ビショップ先生(Professor Lettie Bishop;ラフバラ大学)
長期的な疾患を誘引する生体内の炎症に対する*身体活動の有用性について。
*安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての動作。
トップアスリートの発掘・育成の視座より、育成年代における効果的なトレーニングの考え方について。
- ニコラ・ペイン講師(Dr. Nicola Paine;ラフバラ大学)
心理的ストレスと*座位行動が心血管疾患に及ぼす影響。
*身体活動とは対照的に、座り続ける状態でいること、横になっている状態のこと。
- アリス・タッカレイ研究員(Dr. Alice Thackray ;ラフバラ大学)
肥満症予防の視座より、脳と*食欲調節ホルモンによる食欲・食行動の調節、また、これらの調節に運動が及ぼす影響について。
*消化管から分泌される食欲の調節に関わるホルモンについて。
- 亀本 佳世子 非常勤講師(Dr. Kayoko Kamemoto;早稲田大学)
若年女性アスリートにおける月経周期が急性運動後の食欲調節ホルモンおよびエネルギー摂取量に及ぼす影響について。
- デイビッド・ステンシル先生(Professor David Stensel ;ラフバラ大学, 早稲田大学)
過体重および肥満の予防・管理を目的とした身体活動を含む包括的な対策(肥満外科手術、薬物療法、食事療法)について。
- マイケル・アニア准教授( Dr. Michael Annear ; 早稲田大学)
COVID-19のパンデミック下における日本人中高年者の身体活動の実態と今後の社会的・環境的な改善策について。
途中、昼休憩やティーブレイクも挟みながら、会場からもオンラインからも多くの質疑応答が行われました。
松岡宏高教授から閉会の挨拶がなされた後、登壇者と参加者による写真撮影が行われ、終始和やかな雰囲気のなかで閉会しました。