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「未来の博士フェス2025」にW-SPRINGプログラム支援学生が参加

2025年9月4日(木)、一橋大学一橋講堂にて「未来の博士フェス2025〜知の挑戦者たちへ―未来を拓く博士の力~」(主催:文部科学省、共催:国立研究開発法人科学技術振興機構)が開催されました。今年で3回目となる同イベントは、産業界、アカデミア、官公庁など多様な立場から、博士人材の価値と可能性を共有・発信し、共にその活躍の場を広げていくことを目的としており、博士課程学生によるショートプレゼンテーション、博士人材の多様なキャリアや活躍の可能性を探るパネルディスカッション、「博士を大切にする企業」によるピッチコンテスト、学生と企業が直接交流できるポスターセッション・企業ブースなどが行われました。

本記事では、早稲田大学からポスターセッションに参加したW-SPRINGプログラム支援学生2名を中心に、当日の様子をお届けします。

多様な分野の博士学生がお互いに研究を語り、議論

博士学生による118のポスター発表および14のデモンストレーション、12の企業展示が行われたポスターセッションには、先進理工学研究科博士課程3年の丹野祐次郎さんと、同研究科博士課程2年の西村美郁さんが参加しました。

丹野さんは「将来系統におけるコネクト&マネージの高度化に関する研究」をテーマとして、再生可能エネルギーが大量導入された際に送電線にかかる負荷を、効率的に解消する手法について研究を進めています。

「再生可能エネルギー電源が大量に入ると、送電線の一部で容量超過が発生し、電力の安定供給に支障を与えるリスクが高まります。現状は、その系統に接続されている再エネ電源を一律に抑制することで、そのリスクを回避しているのですが、系統の構成によっては必ずしも効率的ではありません。そこで私たちは、高い抑制効果が期待できる対象を優先的に選定する手法を開発しています。実際の電力系統データを基にシミュレーションすることで、この技術を社会実装したときにも違和感のないデータを出せるように意識しています。博士号取得後は、電力分野の技術開発・ソフトウェア開発で起業予定です。本日参加してみて、電力系の博士は多くはない印象を持ちましたが、だからこそ専門性を活かして事業を展開したいという思いを強くしました。」(丹野さん)

非常に快活に、研究の説明をしてくださった丹野さん

西村さんの研究テーマは「高感度な細胞シングルセルRNA-seq技術開発によるバイオフィルムにおける細菌集団不均一性の解明」。学部から修士をかけて開発した技術を、博士課程でさらにステップアップさせ、成果をあげている様子がうかがえました。

「近年、微生物による物質生産(=バイオものづくり)が注目されています。微生物が秘める物質⽣産能力を発見し制御するためには、遺伝子レベルで細胞挙動を理解することが求められています。私たちは現在、そのようなニーズに応えるために、細胞内活性化機能の動態を大規模にかつ高感度に検出できる技術開発に取り組んでいます。普段の研究生活では、異分野の博士課程学生と話す機会が多くないため、今回の未来の博士フェスでは非常に多くの刺激を受けました。今後は、博士号をしっかり取得できるよう研究を進めた上で、企業研究職に就きたいと考えています。もともと、社会貢献を実感できる仕事に就きたいと考えていたこともありますが、これまでの研究生活で共同研究に多く携わらせていただいたことで、アカデミアと民間が担う役割の違いを実感できたことが影響しているかもしれません。」(西村さん)

ご自身のポスターに絶え間なく訪問者があり、丁寧に応じていた西村さん

多くの参加者が行き交い活発に議論が行われており、博士学生の熱と勢いを感じるポスターセッションでした。

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