Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

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ICC学生スタッフ卒業レポート:異文化交流を共創するリーダーとして

松原 健太郎
政治経済学部
ICC学生スタッフリーダー在籍期間
2017年10月-2021年9月

はじめに

大学1年時の秋に、学生スタッフリーダー(SSL)の一員になってから、早くも4年。9月の卒業式を終えて大学生活を振り返ると、ICCで素敵な仲間に恵まれ活動できた経験は、学生生活で得た自信と大きな財産になったと感じています。途中で海外でのプログラムへの参加や就職活動をはさみ、休職をいただいた期間もありましたが、大学生活の大半をICCに軸足を置き、様々なことに挑戦することができました。本レポートを通して、少しでもICCやSSLの活動を知っていただければ嬉しいです。

SSLへの挑戦

附属高校在学時から国際交流に関心があったため、大学入学後にICCのイベントに参加したいと思っていました。入学してからすぐに複数のイベントに参加をしましたが、SSLを志望する大きなきっかけとなったのは、1年時の秋学期初めに早稲田キャンパスの食堂で偶然留学生を案内したことでした。言語が通じないことから、食堂の利用方法が分からずに一人で困っている留学生Jasonに声を掛け、昼食も共にしました。その際に、日本で最も多くの留学生が在籍し、国際化が進む早稲田においてもまだ改善点があり、学生の視点から気付いた点や企画したい内容を出し合うことで、より良い環境を作り上げられるのではないかと感じました。このような実体験から、国籍や価値観の異なる学生同士がどのようにして、居心地良く成長できる環境を作り上げていくことができるのか関心を持ち、ICCなら自らの個性や想いをイベントという形に活かして、多様な価値観の交流を通じたきっかけ作りに貢献できるのではないかと考え、挑戦しました。

卒業式で留学生Jasonと(image by author)

異文化交流をけん引するプロデューサー

ICCは、早稲田がもつ国内屈指のグローバルな環境を活かして、学内の異文化交流を促進することがミッションであり、学生であるSSLが主体となってイベントの企画・運営を行います。SSLは、文字通り全員が「リーダー」としての役割を担う立場であり、イベントを企画すれば学内外の方との調整や広報、開催当日の司会進行、さらには事後の対応まで一貫して統括を任されることになります。このように学生という立場でありながら、自ら企画案を練り上げ、大学として打ち出せる仕事には、大きな遣り甲斐があります。一方で、それぞれが個人の企画のみに取り組んでいるだけではICCは成り立ちません。ラウンジの運営やオリエンテーションの担当、イベントのポスター発送といったオフィスワークや裏方の業務も多岐にわたります。新SSLとして採用された当初、数十ページにも及ぶマニュアルや機材の取り扱い、ビジネスマナーを覚えることに必死だったことは、今となっては良い思い出です。

SSLのメンバーは、国籍や宗教、研究分野が異なる学部1年生から大学院博士課程までの熱意ある学生で構成され、それぞれの視点で毎学期新たな企画を生み出します。大学職員の方の指導の下、多様なバックグラウンドをもつ仲間と企画の成功に向かって、ひいては早稲田をより良いコミュニティーにするという1つの目標に向けて協働することが、SSLとして働く面白さであり、日々成長を実感していました。日常業務からイベント企画を通じ、異文化交流の機会を提供する立場として、自分の持つ知見や経験を活かして、周囲の人々を巻き込んでいく機会を多く得ることができます。ただ、その過程では異なる価値観をもつ人との間で、自身の意見が合致しない場合もあります。ICCで経験を積む中で、相手の考え方への共感や寛容さをもったうえで、自らの意見や考え方を積極的に自分の言葉で語り、共有する大切さを改めて学びました。

従って、SSLという役割には、大学を拠点にさまざまな立場や価値観を持つアクターと連携し、新しい価値を自ら創造し、それに積極的にコミットできるプロデューサーのような能力が身につくのではないかと思います。いろいろな個性や考え方を認め、共に協働できるか、実践力が身につく場となったと強く実感しています。

加えて、ICCは大学として、ダイバーシティを推進するスチューデントダイバーシティセンター(SDC)の一員であり、障がい学生支援室、GS(ジェンダー・セクシュアリティ)センターとの協力体制を築いてきました。共同イベントの企画・運営やSDCスタッフ間の合同研修への参加から、自らの内に潜む先入観や偏見、意識できていない特権と向かい合い、異なった文化や考え方の間にある普遍的な共感や自分の生き方を考える貴重な機会となりました。

企画を作り上げる醍醐味

私は、自分の興味観点や経験を活かして、トークセッション英語ディスカッションイベントからタッチ・ラグビーのようなスポーツイベント等、様々なカテゴリーのイベントの企画に挑戦させていただきました。

中でも特に力を入れたのは、「国際協力」をテーマにしたイベントの企画です。採用時から最終学年時に至るまで、継続的に国内外からゲストをお呼びし、国際協力分野での最前線における様々な活動を取り上げてきました。国際協力への想いや企画背景については、私の初イベントの企画者レポートに綴ったのでご覧いただければ嬉しいです。

国際協力の活動は様々で、多くの人がぼんやりとしたイメージを抱かれると思います。ICCでは、言語・文化、ビジネスに関連したイベントは沢山ありますが、国際協力、平和構築などに焦点を当てたイベントを企画するSSLは多くはありません。そんな中、タイムリーな国際問題とともにニュースではあまり報道されない国際協力現場のリアルを知る機会を新たに打ち出すことに私自身やりがいを感じました。SSL採用後には、すぐに大学公式の名刺が渡され、企画作りが始まります。時には、大学を代表して国内外のゲストの方や国際機関、企業の方と連絡を取り合うことも多く、不測の事態が発生することも少なくありません。数ヶ月前、時には半年以上前から準備を重ね、自分の想いが詰まった企画が実際に目の前で実現していく光景を見ると、今までの苦労が吹き飛び、言葉にできないほどの達成感を味わえます。

実際にこれまで、イラク駐在のJICA(独立行政法人 国際協力機構)職員によるトークセッションシリア難民の教育支援を行う取り組み、農業を切り口に南スーダンで平和構築を行う取り組みなど様々な切り口から、双方向の対話を意識した講演を実現してきました。企画を重ねるごとに、自分の強みを積極的に発揮すると同時に、弱みも意識して改善していく、自身の成長を体感する機会にもなりました。

私がSSLとしてイベントを企画する際、常に軸としていたことは「どんなに些細(ささい)なことでも、参加者が何か一つでも行動に移すモチベーションにつながるようなイベントやプロジェクトを企画すること」です。ICCを卒業するにあたって、企画したイベントがきっかけとなって、ゲストや参加者同士が繋がり、今でも交流を続けているというお話を伺った時には、改めて自分が異文化へのきっかけを与える一助になれたのかなと嬉しく思いました。

最後に

私は1年時から大学卒業まで、ICCにお世話になり、SSLの仲間や大学職員の方、学内外の方々をはじめ、沢山の方に出逢い、挑戦を支えられてきました。ICCなくして、私の大学生活はありません。イベント企画を通じて、少しでも異文化への「入り口」となる体験を提供できていれば嬉しいです。素敵な仲間と一緒に活動できた時間は、私の自信と財産になったと感じています。本当にありがとうございました。

4月からは、国際的な途上国支援の仕事に従事します。国際協力現場では、特に多種多様な歴史や文化、価値観にふれる中で、多様性の尊重と共創が仕事に向かう上で最も重要な姿勢となります。ICCで多様な仲間と挑戦できた経験は、必ず糧となると確信しています。ICCでの経験をはじめ、今まで恵まれた環境で挑戦できた恩恵を、しっかりと社会に還元できるよう今後も、たえず努力をしたいと思います。

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