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【活動報告18-03】好きって何?アセクシュアル(無性愛)視点で考えてみた【イベント報告】

講演&トークセッション『あなたの「好き」と、私の「好き」、どう違う?アセクシュアルの視点から考える人間関係』を開催

『あなたの「好き」と、私の「好き」、どう違う? ―アセクシュアルの視点から考える人間関係―』と題したトークイベントが11月10日、早稲田キャンパス10号館で開催されました。「恋愛的感情の有無にかかわらず、他者に性的に惹かれることがない」と言うセクシュアリティ「アセクシュアル(無性愛)」の認知度を向上させる活動「Asexual Awareness Week(AAW) in Japan 2018」の一環で行われたイベントで、アセクシュアル啓発委員会と早稲田大学GSセンターの共催。当日は天候も良く、なんと325名もの方に参加していただき、登壇者の方々のアセクシュアルに関連した体験談を通して「好き」について考えました。

ライフヒストリーについて話す登壇者(左からたかさん、真希さん、なおさん、なかけんさん、三宅さん)

登壇者のライフヒストリー

幼少期、中高生時代、大学、社会人〜現在までを、各々の経験をもとにお話ししました。特にアセクシュアルを自認するまでの経緯や、いつから違和感を抱いたか、恋愛的な文化に周りが染まっていく中での葛藤や不安についての話があり、それらについて考えるきっかけになりました。

アセクシュアルの基礎知識講座

アセクシュアル啓発委員会の三宅さんとなかけんさんのお二人による、基礎知識についてのプチ講座を開いていただきました。アセクシュアルコミュニティの現状や課題、Sexual Attractionといった言葉などについて語りました。

アセクシュアルコミュニティでは、性的指向(Sexual Orientation)だけでなく、恋愛的指向(Romantic Orientation)を分けて考えます。これらの普段なかなか聞くことのできない知識についても紹介されました。

また啓発委員会によるアセクシュアルの定義として、「恋愛的に感情の有無にかかわらず、他者に性的に惹かれることがない人の総称」が提案されていました。

基礎知識について話すアセクシュアル啓発委員会の三宅さん(右)となかけんさん

参加者合同のパネルディスカッション

GSセンター職員の大賀と渡邉がファシリテータとして参加し、お越しいただいた方々のご意見をもとに登壇者とパネルディスカッションを実施しました。

今まで経験した恋愛や性的関係における暗黙のルールとして、「『付き合う』ことに対して、性的関係を求められる」、「男女2人で遊びに行くと、恋愛関係になり得ると思われてしまう」などの意見が出ました。

また登壇者への質問では、「デミセクシュアル(※)をどのようなタイミングで自認したか?」であったり、「アセクシュアル自認の方にとってのパートナーはどのような方なのか?」という質問が出ました。

※ 半性愛と言われ、強い信頼関係や精神的な結びつきを感じた相手に恋愛感情を抱くセクシュアリティ

あなたにとって「好き」とは?

イベントの最後には、登壇者の方々が自身にとっての「好き」について語りました。

なおさん
「好きというのは、相手に、「あなた自身はとても素敵なんだよ」と伝えたい気持ち。それって本当に好きなの?とか聞かれることがあるが、好きに本当も嘘もないです。好きは好き。全部がLoveです」

真希さん
「言葉として好きを表現するのは難しいです。ですが、その相手となら不幸になってもいいな、と思える相手がいたら、それは好きという気持ちなのかな?と思います」

たかさん
「好きという言葉自体をずっと考えてきたが、この考え方自体がもっと多種多様でいいと思う。私の好きは情熱的というよりは、安心感だとか絆とかいう気持ち。そういう気持ちや考えが、あってもいいし、なくてもいい。それが好きということなのかな、と思います」

なかけんさん
「昔から好きという言葉を多用していたが、好きという言葉の扱いでトラブルになったことがあり、使わないようにしていた時期がありました。今はたくさん使っていますが、好きは恋愛だけで使う気持ちではないと思う。私にとって、友人や家族に対して好きだと思う感情は、他の何かと比べて上とか下とかを決めるものではありません。『好き』や『愛』を恋愛だけのチープなものにはしないで欲しい」

GSセンタースタッフより

参加者の皆さんからは、「『普通』って人それぞれだし、そんなに軽いもんじゃないと改めて感じました。行ってよかった」、「無理して頑張らなくてもいいと感じられて、心が軽くなった」といったような意見をいただきました。

来場してくださった皆様のイベント中のご協力もあり、非常に充実した時間となりました。いただいたご意見や質問などは、登壇者のなかけんさんのYouTubeチャンネルで動画を配信予定とのことなので、是非チェックしてみてください。

※本イベントの動画は、GSセンターで閲覧可能になる予定です。ぜひGSセンターへお越しください!

関連リンク:Asexual Awareness Week 2018 in Japan

YouTubeチャンネル:なかけんさん所属の性性堂堂

GSセンターは、早稲田大学のLGBTQ+(性的マイノリティなど)学生や、ジェンダー・セクシュアリティに関心のある全ての人々(アライ含む)の居場所であり、誰もが自由に利用できるセーファースペース/リソースセンターです。

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