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【開催報告】仕事と介護の両立支援セミナー ~持っておきたい介護の基礎知識 「在宅介護」と「施設介護」~(2025年10月24日開催)

*イベント概要はこちらから

開催報告

202510月24日(金)、エイジング・デザイン研究所代表の山中由美氏を講師にお迎えし、標記セミナーをZoomウェビナー形式で開催しました。本学教職員200名以上の参加があり(後日動画視聴を含む)、介護への関心の高さがうかがえました。 

セミナーの冒頭では、篠原初枝理事(ダイバーシティ推進担当)より、「高齢者数(65歳以上人口)のピークが2043年に来ると言われているが、その数字に含まれる人々を支えていく負担は、どうしても個人に降りかかってくる。私の周りでも、地方の実家に戻った方や、親御さんに施設を勧めても考えが合わないといった方の話を耳にすることがあり、とても身近な問題と考えている。今日は専門家のお話をお聞きし、勉強させていただきたい。」という旨の挨拶がありました。 

▲ エイジング・デザイン研究所代表 山中由美氏

山中講師からは、以下の内容を中心に70分間お話しいただきました。また、講師のご実家を介護用にリフォームされた実例を写真とともにご紹介いただきました。

◆ 人生100年時代、介護は誰にとっても身近な課題である。65歳時点でも約20年以上の平均余命があり、長生きに伴う「介護リスク」への備えが重要となる。 

高齢期の出費で気になるのは医療と介護だが、より負担や手続きが複雑なのは介護である。介護保険の適用には認定が必要で、自己負担(1~3割)や利用限度額があるため、実際には自費負担も多く発生する。 

在宅介護は、訪問介護・デイサービス・ショートステイなどを組み合わせて、ケアマネジャーが中心となって計画を立てる。利用者は限度額内で自己負担分を支払い、超過分は全額自己負担となる。家族の介護力・資金力・地域資源を確認し、在宅が困難な場合は施設介護も選択肢に入れたい。 

介護休業制度や介護休暇、時短勤務、テレワークなどの制度も整備が進んでいる。職場の制度をうまく活用し、介護と仕事の無理のない両立を目指すことが大切。 

高齢者施設は、公的な特別養護老人ホームから民間の有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅まで多様。各施設で、費用や人員体制、介護保険の扱いが異なるため、事前の情報収集が不可欠。平均介護期間は約5年、総費用は在宅で約312万円、施設で約744万円とされる。 

親が元気なうちに、本人の希望や財産状況を確認し、任意後見制度や家族信託などの活用も検討してみては。介護は「完璧を目指さずベターを目指す」姿勢で、専門家・地域包括支援センターとつながり、情報を味方にすることが成功の鍵と考えられる。 

その後の質疑応答では、施設選びから遠距離介護、遺言書に関する相談まで幅広く質問が寄せられ、山中講師より丁寧にご回答いただきました。 

セミナー後のアンケートでは全体的に良い評価をいただきました。介護に対するポジティブな意見も多く寄せられ、参加者の満足度が高いことがうかがえるセミナーとなりました。

参加者からの声(一部抜粋)

◆ 講師の先生がご自身の体験を共有してくださったのがよかったです。講師の先生のケースが一般化できるわけではありませんが、具体的なイメージがわきました。

◆ 同じ内容でも構いませんので、毎年受講したいです。それによって知識もより深まると考えています。

◆ 親の介護、および自分の老後について、極めて現実的な情報をいただき大変役に立ちました。

◆ 介護の基礎を知ることができました。まずは、実家のある自治体の制度を調べて、地域包括支援センターにも足を運んでみたいと思います。具体的な動きを想定できるようになったことが大変良かったです。

◆ 講師の方の体験を交えた具体的なお話に引き込まれ、伝わってくるエネルギーに元気をいただきました。今からできること、やっておいた方がいいなと思ったこともいくつかありましたので、さっそく行動に移したいと思います。

◆ 講師の方のお話は、介護制度の現実やそれとの付き合い方などに触れられていて、とても分かりやすかった。もっと早くこのようなセミナーに出会えていたら、一人で悩まずにすんだだろう、と思った。

◆ すでに介護が始まってしまったのですが、講師のお話を聞くことによって、自分の状況を客観的にみることができました。いかに渦中にいて自分が翻弄されていたかを確認することで、介護もより冷静に対応していくことができるはずだと自分にいいきかせられたせいか、土日の介護においてすこし心が楽になりました。

◆ まだ介護は実感が無いのですが、先生ご自身の経験もまじえたご講演が大変参考になりました。

本学の介護支援情報について

本学で利用できる介護支援に関する制度・サービスこちらでご確認ください。 

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