【終了】2019年度
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アジアにおけるムスリム・マイノリティと非ムスリム・マジョリティの共生に関する国際比較研究
分野:地域
本プロジェクト研究所では、重点領域研究機構傘下の約5年間に引き続き、日本を含む東アジア諸国を中心に、東南アジア諸国も視野に入れながら、アジアの国々において少数派となっているムスリム(イスラーム教徒)と非ムスリムとの共生の現状とその要因について比較検討を行う。また、その際に東アジアよりも早くニューカマーのムスリム・マイノリティとの共生に直面した西欧との比較も対象に加える。
アジアのムスリム・マイノリティ問題を考察する際にキーワードとなるのは、人の「移動」と「ネットワーク」である。移動・越境したムスリム(新来ムスリム)はその出身コミュニティとの結びつきを保ちながらネットワークを形成する。一方、歴史的に居住していたムスリム(歴史的ムスリム)も、周縁化されマイノリティとなった後も、地域を跨いだグローバルなムスリム・ネットワークに属して自らの宗教的アイデンティティを保持する。このようなアジア各地のムスリム・マイノリティと地域的・広域的ネットワークとの相関を具体的に示すためには共時的かつ通時的な比較分析が有効であると考えられる。
そのため、研究方法としては引き続き、人口学、歴史学、社会学、文化人類学などの多様な学問分野の理論と実証分析手法に依拠した学際的なアプローチを用いる。具体的には、①ムスリムとの共生にむけての社会調査、②東アジアにおけるムスリムの歴史的展開と受容の二つの課題を柱に研究を進める。さらに、再び韓国・台湾などの研究者との共同国際比較研究を経て、アジアにおける共生のための諸条件を広く社会に提示するとともに、早稲田大学を中心とする既存のアジアの研究者ネットワークをさらに強化するとおもに西欧の研究者とのネットワークを強化することを目指す。
小島 宏[こじま ひろし](社会科学総合学術院教授)
【研究所員】
小島 宏(社会科学部教授)
小林(新保) 敦子(教育学部教授)
小松 香織(教育学部教授)
桜井 啓子(国際教養学部教授)
店田 廣文(人間科学部教授)
小野 亮介(人間科学部助手)
見市 建(大学院アジア太平洋研究科教授)
砂井 紫里(高等研究所講師(任期付))