Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

現代中国研究所
Waseda Institute of Contemporary Chinese Studies

研究テーマ

ポスト高度経済成長期の中国「新常態」の総合的分析

分野:地域社会

研究概要

2015年、中国国家主席・習近平はこれまでの驚異的な経済発展が終わりを迎え、これから低成長期を迎えると発言した。しかもしれは一時的なものではなく、一定の期間避けることのできない状態だとし、それを「新常態」(New Normal)と表現した。
事実、2015年にGDPで6%台に落ち込んだ中国経済は、2016年に入っても再浮上の兆候は見られない。その上、格差、腐敗、環境、人口の老齢化など深刻な社会問題があふれ、言論の自由を力で封じ込めている政治も緊張感が高まっている。国際社会においても、台頭中国は経済面では歓迎されても、政治・安全保障面では警戒感が高まり、決して順風満帆ではない。大きな転換期に入ったといっても過言ではない。
そこで本研究所は共通の新たな研究テーマとして、上記のよう「新常態」期における政治、外交、社会、経済、国際関係、歴史、文化などあらゆる角度から現代中国を照射し、総合的、構造的に現代中国の分析を行う。その上で「新常態」下の中国の特徴、および課題を明らかにし、今後の展望を描き出すこととした。
研究の役割分担は以下の通りである。
天児 慧:政治指導部の動態、政治体制変革
青山瑠妙:大国外交と対外戦略(一帯一路など)
劉 傑:ナショナリズム、リージョナリズムと伝統思想
唐 亮:大衆ナショナリズムの台頭と中国政治への影響
斎藤泰治:中国近現代思想史における自由主義
小林敦子:教育社会格差と老齢化社会
中嶋聖雄:中国映画産業の経済社会学
平川幸子:新段階の中台関係
張 望:新段階の日中関係
黄 斌:近代ナショナリズム
さらに本研究テーマの核心的研究課題とも言える「新常態」下の経済に関しては、以下の2つの面から迫る。国有企業改革、ハイテク産業の推進がカギとも言われる「国内経済」、そして「走出去」方針を打ち出し貿易投資の拡大に加えて国際金融への進出が目立つ「国際経済」である。この分野に関しては外部の優れた研究者への依頼を予定している。

研究報告

【2019年度】
早稲田大学・現代中国研究所は2019年度において、政治・国際関係・社会など様々な側面から中国に関する研究を行ってきた。そして、海外の研究者との国際交流を積極的に行い、国内外に向けて研究成果を広く発信した。
本研究所は人間文化研究機構「北東アジア地域研究」プロジェクトの拠点として、「中国の台頭と周辺国の反応」というテーマのもとで、学術研究を推進した。プロジェクトの一環として、2020年1月25日に公開シンポジウム「ジレンマの罠でもがく中国」を開催した。そして、国内外の専門家を招き、公開研究会、ワークショップを計11回開催し、研究所の研究成果を広く社会に発信した。
本研究所は海外の研究機関と学術交流を行い、国際研究ネットワークの構築に尽力し、国際協力を強化した。2019年、本研究所は台湾政治大学国際関係研究センター、オーストラリア国立大学Australian Centre on China in the World、ブリティッシュコロンビア大学のInstitute of East Asian Studies、カリフォルニア大学バークレー校のInstitute of Asian Researchと、研究協力を推進する覚書を取り交わした。2019年7月、本研究所はこれらの研究機関と協力し、台湾国立政治大学にてAn Asia-Pacific Response to the Changing US-China Relationと題する研究大会を開催した。さらに、2019年6月22日に、中国復旦大学と協力し、「日中関係の機会と挑戦」と題する国際ワークショップを開催した。
国内外のメディア、学術誌での研究成果の発表に加え、本研究所は、文献データベースScopusに収載されている国際学術誌Journal of Contemporary East Asia Studies(Routledge社)の編集、出版を行っている。

【2018年度】
早稲田大学・現代中国研究所は2018年度において、政治・国際関係・社会など様々な側面から中国に関する研究を行ってきた。そして、海外の研究者との国際交流を積極的に行い、国内外に向けて研究成果を広く発信した。
本研究所は人間文化研究機構「北東アジア地域研究」プロジェクトの拠点として、「中国の台頭と周辺国の反応」というテーマのもとで、学術研究を推進した。プロジェクトの一環として、2018年9月22日―23日に国立民族学博物館で開催されたシンポジウム「北東アジアにおける地域構造の変容:越境から考察する共生への道」において、第6セッション「Northeast Asia in Turbulence」を担当した。また、2019年3月3日には、東北大学東北アジア研究センターと連携して、「Bringing the State Back In: New Frontiers of Governance Studies in China」と題する国際シンポジウムを開催した。
本研究所は海外の研究機関と意見交換を行い、国際研究ネットワークの構築に尽力し、国際協力を強化した。具体的な活動として、2018年9月20日に、中国復旦大学と協力し、「中国とアジア:現状と課題」と題するワークショップを早稲田大学にて開催した。また、2019年2月20日に、韓国成均館大学と協力し、「習近平時代をどのように解釈するか」と題する共同セミナーを韓国で開催した。
 国内外のメディア、学術誌での研究成果の発表に加え、本研究所は国際学術誌『Journal of Contemporary East Asia Studies』(Routledge 出版社)の 編集、出版を行っている。2018年度は第1号、第2号において、学術論文10本、書評6本を掲載した(https://www.tandfonline.com/loi/reas20 を参照)。

【2017年度】
2017年度において、早稲田大学・現代中国研究所は、政治・国際関係・社会など様々な側面から中国に関する理解を深め、研究成果を発信し、国際交流を積極的に行い、また日本のみならず、国際社会に向けて研究成果を広く発信した。
本研究所は2017年度も引き続き、人間文化研究機構「北東アジア地域研究」プロジェクトの拠点として、「中国の台頭と周辺国の反応」というテーマのもとで、学術研究を推進した。プロジェクトの一環として、2017年12月8日に富山大学極東地域研究センターと連携して、「朝鮮半島:北東アジアの安定は保てるか」と題する国際シンポジウムを開催した。
本研究所は2017年度も海外の研究機関と意見交換を行い、国際研究ネットワークの構築に尽力し、国際協力を強化した。特に国際ワークショップについては、2017年11月16日−18日に韓国成均館大学で開催された「中国リスクに関わる研究」と題するシンポジウムに、本研究所メンバーが参加し、今後の研究協力の在り方について議論した。そして2018年2月に、「“一帯一路”とASEAN」と題する国際ワークショップを開催した。
 国内外のメディア、学術誌での研究成果の発表に加え、本研究所は国際学術誌『Journal of Contemporary East Asia Studies』(Routledge 出版社)の 編集、出版を行っている。2017年度は第1号、第2号において、学術論文11本、書評5本を掲載した(https://www.tandfonline.com/loi/reas20 を参照)。

所長

青山 瑠妙[あおやま るみ](国際学術院)

メンバー

【顧問】
毛里 和子(早稲田大学名誉教授)
天児 慧(早稲田大学名誉教授)

【研究所員】
青山 瑠妙(大学院アジア太平洋研究科教授)
黄 斌(地域・地域間研究機構次席研究員(研究院講師))
小林 敦子(教育・総合科学学術院教授)
齊藤 泰治(政治経済学術院教授)
張 望(国際学術院准教授)
鄭 成(社会科学総合学術院准教授(任期付))
唐 亮(政治経済学術院教授)
中嶋 聖雄(大学院アジア太平洋研究科教授)
平川 幸子(留学センター准教授(任期付))
劉 傑(社会科学総合学術院教授)

【客員研究員】
角崎 信也(次席研究員(研究院講師))

【招聘研究員】
周 俊
染野 憲治(日中友好環境保全センターチームリーダー)
堀内 賢志(静岡県立大学国際関係学部 准教授)

※2021年11月26日更新

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