国際不動産研究所【第Ⅱ期】
Institute of International Real Estate Studies
【終了】2012~2016年度
研究テーマ
世界の住宅・不動産システムのあり方に関する学術的研究
分野:社会システム
研究概要
本研究所では、世界の住宅・不動産システムのあり方に関する学際的な研究を行う。住宅・不動産システムとは、空間市場、資産市場、および住宅・不動産開発業の3つの部門からなる住宅・不動産の体系であり、世界、国、地域のマクロ経済、そして国内外の資本市場を含む外部システムとの関連性も含むシステムを言う。2000年以降、経済のグローバル化の急速な進展とともに、各国のローカルなシステムは互いに異なるにも関わらず、世界の住宅・不動産システムは相互に密接に連関しつつある。その結果、例えば、欧米の住宅価格バブルの崩壊により、2007年〜2009年には世界の金融大収縮を見た。また、新興国の住宅・不動産価格のインフレーションは日本に高度経済成長期の状況と酷似しており、将来の「日本化」(不動産バブルの崩壊による国民経済の長期低迷)のリスクが増大しているようにも見える。本研究では、法制度、政治、経済、および金融といった学際的なアプローチにより、複雑化した今日の世界の住宅・不動産システムの現状とその課題を明らかにし、その改善策を提案しその有効性を検証する。
ところで、同名の旧プロジェクト研究所では、新しい不動産市場の創出を試み、(1)インフラストラクチャー(不動産データベース、不動産投資インデックス等)の整備、(2)不動産デリバリティブ商品の設計(プライジングとヘッジングのモデル開発含む)、(3)不動産デリバリティブ取引所の制度設計、(4)不動産デリバリティブ取引所のプロトタイプを用いた実験的検討(実用化のためのフィージビリスタディ)を行い、これらの活動を通して、大なる研究成果をおさめたと自負している。
本プロジェクト研究所では、旧研究所において整備された研究のインフラストラクチャー(住宅・不動産の価格指数、プライジングやリスク管理のためのコンピュータプログラム、データベース、および研究者ネットワーク等)のさらなる整備拡充を図り、アジアにおける新しい不動産研究活動の拠点を創り上げることも試みる。
そこでは、アジア全域の人々の住宅・不動産に関する期待形成などについて分析可能なアンケート調査などをも合わせて実施する。
こうした活動を通して、早稲田大学の不動産研究をアジアにおける最高峰に位置づけることを目論む。
所長
川口 有一郎[かわぐち ゆういちろう](商学学術院教授)
メンバー
【研究所員】
川口 有一郎(商学学術院教授)
岸田 雅雄(商学学術院教授)
森平 爽一郎(商学学術院教授)
鎌田 薫(法学学術院教授)
竹原 均(商学学術院教授)
中里 大輔(商学学術院教授)
米澤 康博(商学学術院教授)
蟻川 靖浩(商学学術院准教授)
【非常勤研究員】
赤井 厚雄(客員上級研究員(研究院客員教授))
【招聘研究員】
石川 尋夫(一般社団法人不動産証券化協会企画部部長代理)
岡野 淳(青山リアルティ・アドバイザーズ株式会社顧問)
吉田 靖(千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科教授)
渡部 光章(株式会社ティーマックス)
野田 誠(野田誠不動産総合コンサル事務所)
福島 隆則(みずほ証券株グローバル投資銀行部門投資銀行業務推進部部長)
李 晶(華東師範大学商学院准教授)
柳町 啓介(クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社ヘッド・オブ・リサーチ、ジャパン)
飯沼 綱平(新生銀行市場リスク管理部業務推進役)