Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

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比較成年後見法制研究所【第Ⅱ期】【活動終了】
Institute for comparative Study on Guardianship

【終了】2014年度
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研究テーマ

成年後見制度に関する比較法的研究

分野:社会システム

研究概要

本研究は、欧米とアジアにおける成年後見制度に関する比較法的共同研究であり、その成果を論文などの形で公表し、又はそのための講演会を開催することを目的としている。
このグループの研究の出発点においては、現行成年後見制度の改善という観点を重視していたが、障害者権利条約との関連は、我々に新たな課題を設定することになった。

我国は、同条約に2007年に署名したが、その時点では成年後見制度にどのような形で影響を及ぼすか、は必ずしも明らかではなかった。この間に、障害者団体とその関係者の方々のご努力で、われわれ法律研究者(特に後見法の研究者)にとっての課題が少しずつ具体化してきた。同条約の批准も、具体的な日程に上っている現在、同条約の内容を意識した比較法的研究はますます重要なものとなっている。現時点で成年後見制度に関する制度改正を提言する以上、同条約によって真正面から我々に投げかけている課題に取り組まなければならない。
そこで、本研究はでは、まず、成年後見制度の全法秩序における位置づけについて引き続き検討するが、これは、現行制度自体の法的位置づけであり、法的評価をも含むものである。すなわち、今日のような少子・高齢社会における、成年後見制度に対する国家の責任を検討してみなければならない。また、この問題は、現行法の解釈によってもある程度は対応できるが、多くの課題は、かなり本質的な問題点を含んでいるので、制度改正上の課題でもある。
しかも、障害者権利条約は、すでに我々に法律(民法)の改正を突きつけている。
1999年の民法改正以来、今日まで、成年後見制度の発展を見守ってきた者としては、現時点で、上記の課題に対応する民法改正に対しての基本的観点を提示しておく必要がある。それによって、多くの研究者の英知を結集して、直接・間接に法律改正作業に関与しなければならない。具体的には、障害者権利条約との関係において、成年後見人の医療代諾権と法廷代理権が(成年被後見人の行為能力の制限)が問題となる。
すでに、障害者権利条約を批准しているドイツとオーストリアの議論を参照することができたので、これを日本法との関連で、研究する必要がある。
 
憲法上の権利侵害の問題の一つとして発生していた成年被後見人の選挙権剥奪の問題は既に解決することができた。その際には、多くの若手研究者の協力を得ることができた。
これに加えて、我々は、社会福祉を含む実務の観点からの批判や意見は常に重視すべきである。総合的な制度改正を行わなければならないとすれば、その際には、不可欠な観点だからである。

所長

岩志 和一郎[いわし わいちろう](法学学術院教授)

メンバー

【顧問】
田山 輝明

【研究所員】
岩志 和一郎(法学学術院教授)
棚村 政行(法学学術院教授)
楜澤 能生(法学学術院教授)
山城 一真(法学学術院准教授)
青木 仁美(高等研究所助教)

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